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政界ロビー:盧前大統領、収入なしに7億円台の事業(下)

 盧前大統領の後見人とされるチャンシン繊維の姜錦遠(カン・グムウォン)会長(57)が07年9月に設立した(株)ポンハには、総額70億ウォン(約5億2000万円)が投じられた。盧前大統領側は「退任したら村の林や生態系を再生したい」と語っており、(株)ポンハはこれを財政面で後押しするための組織だ。(株)ポンハは事業の目的を農村の自然観光事業や生態および文化保存事業と説明している。これは盧前大統領退任後の構想とほぼ一致する。

 朴会長が盧前大統領の姪婿であるヨン・チョルホ氏(36)に手渡したとされる50億ウォン(約3億7000万円)について、朴会長の弁護士は「ポンハ村周辺にあるファポ川の開発に使うために提供したもの」と説明した。盧前大統領は側近と共にファポ川の清掃作業を行うなど、河川の開発にも関心を示していた。さらに盧前大統領は環境に優しい農業を目指し「アヒル農法」によるコメの栽培を行い、政界の関係者にプレゼントしたこともある。ファポ川の開発と農業に投じられた資金については、今のところその額や出所について明らかになっていない。

◆退任後に政治活動を再開するための資金か

 盧前大統領本人は否定しているが、政界では「盧前大統領は親盧(盧武鉉大統領と親しい)勢力を集めて政治活動を再開しようとしている」という話が絶えない。具体的には2010年の地方選挙と12年の国会議員選挙がそのスタートになるとされている。

 これに関連して注目を集めているのが、インターネット・システムの構築と側近による相次ぐ研究所の設立だ。盧前大統領は大統領府の文書管理システム「e知園」を私邸で稼働させたため、大統領府の記録物が外部に流出したとして問題になった。また「民主主義2.0」と呼ばれる政治討論サイトを開設し、数々の政治問題についても意見を発信した。これらコンピューター・システムに投入された額や出所もやはり明らかになっていない。捜査関係者は「1回のメンテナンス費用に数千万ウォン(1000万ウォン=約75万円)が充てられた」ことを明らかにし、システムの構築と管理に巨額が投じられたことを示唆。盧前大統領の側近は「盧前大統領はコンピューターに関してはマニアの気質があり、周りが無理だと考えるほどの巨額を投じた」と語っている。

 さらにイ・ヘチャン元首相は「広場」、民主党の安煕正(アン・ヒジョン)最高委員は「より良い民主主義研究所」、キム・ウシク元大統領府秘書室長は「未来発展研究院」をそれぞれ設立するなど、数々の研究団体を運営している。だが、親盧グループの人物たちが推進してきた「財団法人ポンハ」は現在、検察による捜査の影響で水の泡となる危機を迎えている。民主党の関係者は「任期中に実現できなかった嶺南(慶尚道)圏の盟主の夢を、さまざまな試みや構想を通じて実現しようとしたようだ」「違法な政治献金を受け取った問題が明るみに出たのは、政治活動再開の動きと無関係ではないだろう」と語った。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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