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君が代不起立・不斉唱訴訟、教諭側の請求棄却 東京地裁

2009年3月26日19時8分

 君が代斉唱時の不起立・不斉唱などを理由に懲戒処分を受けたのは思想・良心の自由を保障した憲法に反するとして、都立学校の教諭ら計約170人が東京都に処分取り消しなどを求めた訴訟で、東京地裁(中西茂裁判長)は26日、原告側の請求をいずれも棄却する判決を言い渡した。

 判決はまず、卒業式で君が代斉唱時に起立することなどを定めた都教委の通達が、思想・良心の自由に反するかを検討。通達に基づいて校長が出した職務命令は「特定の思想を持つことを強制したり、禁止したりするものではなく、特定の思想の有無について告白することを強要するものでもない」として憲法に違反しないと判断した。

 教諭らは「処分は重すぎる」として都教委による裁量権の乱用だと主張したが、判決は「児童や生徒、保護者の面前で公然と校長の職務命令を違反したことは相当に非難される行為だ」と退けた。

 訴えていたのは、都教委から戒告や停職1カ月〜3カ月などの懲戒処分を受けた都立高校の教諭ら約170人。判決を受けて記者会見した原告団の共同代表は「民主主義を教える学校が、強制と管理の場に変わってしまったことを理解してもらえず残念だ」と話した。

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