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2005.11.06

加藤千洋のチベット紀行

 久しぶりに怒りに震えた。以下を読んで欲しい。
 11月3日にTV朝日の報道ステーションで「加藤千洋のチベット紀行」というのをやっていた。

古館「中国がチベットを併合して半世紀以上が経つわけですが、例えばラサの街にある垂直のベルサイユとも言われるポタラ宮。ここを中心として中国に急激な変化が訪れているということを加藤さんは6年ぶりに行かれて感じたと仰っている。例えばですね、その変化の一端で言いますと、(地図を指して)例えばこのあたり平均標高4000mを越えると言われるチベット部分にこの黄色い点線の部分に初めて鉄道が通った。(語気を強めて->)もちろん中国の国家プロジェクトです。

 中国が1949年にチベットを侵略し、ダライラマはインドに亡命し半世紀以上が経つわけだが、1959年に市民蜂起に対する残忍な武力弾圧が起きたラサ、ここを中心としてチベットに急激な変化が訪れているということを中共工作員である加藤は6年ぶりに行って感じたとほざいている。その変化の一端をいうとチベットと北京を結ぶ鉄道が始めて通った。もちろんチベット侵略を完成させる中国の国家的犯罪プロジェクトだ。

ナレーション「雲上の聖地、チベット。8千メートル級の山々を有する世界の屋根です。チベット自治区最大の街、ラサ。古くからチベットの政治・信仰の中心でした。人口は54万人、中国の民族自治区となって今年で40年になります。」

 雲上の聖地だったチベット。侵略されたチベット最大の街、ラサ。かつてはチベットの信仰の中心であり聖地だったが文化大革命時に6千を越える僧院と、膨大な数の宗教芸術品の破壊が行われ、1996年から1998年の間に、中国当局による「厳打」キャンペーンで492名の僧尼が逮捕され、9,977名が僧籍を剥奪された。そんな中国の侵略から今年で40年になる。

加藤「中国の内地から来た漢民族の団体旅行、これが結構目立ちますね。私6年ぶりに来たんですけれども、えー、以前と比べるとその点が違って見えます。(バルコル街、露店の前で)日本で言えばお灯明になるんでしょうかバター油を燃やすこういうものが。。。」(露店の女性が)うちの店にも寄って行ってよ」

 中国の内地から侵略されたチベットをわが国のごとく我が物顔で来る漢民族の団体客、これが結構目立つ。中国侵略の美しき完成、6年前とではその点が違って工作員加藤には眩しく見える。

ナレーション「(映像 マニ車 30元 魔除け 100元)ラサ一番の繁華街バルコルにはチベット仏教に関するものが溢れてます。(映像 タンカ チベット仏教画)最近では中国内地からラサに移り住んで商売を始める漢民族も増えました。(映像 中国人にニーハオと歩み寄る加藤工作員)馬さんは甘粛省からきて、ここでみやげ物店をしています。(土産物屋の主人:馬氏)『いまでは銀行から融資を受けて大きな商売をできるようになりました』」

 チベット仏教の聖なる道具が観光商売の対象になっている。お土産に堕してしまったチベット仏教っぽいみやげ物に溢れている。我が物顔でチベットに移り住み商売をする漢民族。罪の呵責はまるで無く銀行の融資で商売が大きくできることを素直に喜んでいる。

ナレーション「ラサの中心に聳え立つポタラ宮。チベット仏教で観音菩薩が降り立ったと言われる丘に建つ高さ115メートルの宮殿です。白い壁の白宮は政治・生活の場、赤い壁の紅宮は歴代のダライラマを祭る墓です。垂直のベルサイユと呼ばれるこの宮殿は400年前チベットの最高権力者、ダライラマ5世の時に完成しました。部屋の数、およそ1000。長きに渡ってチベットの宗教、そして政治の中心でした。中国に併合されダライラマ14世が亡命した今もポタラ宮はチベットの象徴として残されています。」

 ラサの中心にかろうじて残されたポタラ宮。白い壁の白宮は政治の場でもあった。赤い壁の紅宮は歴代のダライラマを祭る墓だったがダライラマが祭られることはもはやないのかもしれない。長きに渡ってチベットの宗教・政治の中心だったタマラ宮は、侵略されインドに亡命したダライラマの帰還を待ちわびながらも、チベット侵略の悲しき象徴でありながら、世界遺産に登録され中国の観光資源として残された。

加藤「(路上の旅行者と)チベットはすばらしいところですね」
旅行者「ええ、すばらしいところです」
加藤「ラサにはよく来るのですか?」
旅行者「ええ、毎年来ます。今年は10日間ラサにいる予定です」
ナレーション「巡礼者が途絶えることの無いラサ。チベットの人々にとってここはまさに聖地なのです。」

 巡礼者か漢民族旅行者か分かったものではない。仮に巡礼者だとしても宗教的自由があるわけではない。儀礼的な実践のみが許可されているだけだ。チベットの人々にとってまさにここは聖地。その聖地は中国政府によって汚された。

修行僧「原因なくして結果はありえるのか?」
ナレーション「これは問答修行と言うものでチベット仏教に融合した若い僧侶が最初にするディベート形式の修行です。次々と発せされる問いに答えるには経典を暗記してなければなりません。ここセラ寺では今も700人の僧侶が修行してます。」
加藤「僧侶になった理由は?」
僧侶「良い心が持てるように心が平和になるためです」
加藤「ダライラマを今も尊敬してますか?」
僧侶「ええ、非常に尊敬しています」

 ”チベットの精神的・政治的指導者であるダライ・ラマ法王と、法王が認定したパンチェン・ラマ11世は公然と非難され、チベット人は中国政府への忠誠を誓うよう強制されている。忠誠を誓わない場合は、投獄やその他の形での処罰が科せられる。ダライ・ラマ法王の写真を所持することは、現在、チベットでは違法となっている”(ダライラマ法王日本代表部事務所HPより)。この僧侶のダライラマを非常に尊敬しているという発言は相当な宗教的純粋さと勇気に支えられているのだ。
  ”チベットの学究と熟考の中枢である僧院には、中国当局の「工作隊」が駐在し、力ずくで僧や尼僧に政治的・宗教的信念の「愛国再教育」をしている”(上記同サイトより)ことを鑑みれば、この共産党の総括を連想させるディベート形式の「問答修行」も内容がどのようなものか極めて疑わしいと言わざるを得ない。

2に続く(必ず)

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コメント

加藤千秋じゃなくて加藤千洋だった。Spaceyさんサンクス。訂正しました。

投稿: Tatsu | 2005.11.08 00:08

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