【第131回】 2009年04月09日
知識労働者の多くは意味のない仕事で忙しさが増大する
| ダイヤモンド社刊 1890円(税込) |
「知識労働の生産性の向上を図るうえで問うべきは、何が目的か、何を実現しようとしているか、なぜ行うかである」(『プロフェッショナルの条件』)
ドラッカーは今日、技術者、教師、販売員、看護師、現場の経営管理者など、知識労働を行なうべき人たちが、ほとんど意味のない余分の仕事を課されて、忙しさを増大させていると指摘する。
誰も読まない報告書を書かされ、なにも聞く必要のない会議に出させられている。
その結果、知識労働者の仕事は充実するどころか不毛化している。当然、生産性は破壊される。動機づけも士気も損なわれる。
看護師の意識調査を見ても、看護の世界でしようと思ったこと、そのために訓練を受けたことができないことにいらだっているという。
対策は簡単である。
すでにいくつかの病院では、電話に答えたり花を活けたりする病棟職員にペーパーワークを回している。途端に看護師に余裕が生まれ、看護に費やす時間が急激に増えた。
驚くべきことに、それらの病院では、看護師の数を4分の1削減し、人件費を増やすことなく給与を引き上げることができた。しかも病院中が活性化した。
「手っ取り早く、しかもおそらくもっとも効果的に知識労働の生産性を向上させる方法は、仕事を定義し直すことである。特に、行う必要のない仕事をやめることである」(『プロフェッショナルの条件』)
feature
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上田惇生
(立命館大学客員教授 ドラッカー学会代表)
ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授、ドラッカー学会代表。1938年生まれ。1961年サウスジョージア大学経営学科留学、1964年慶應義塾大学経済学部卒。経団連会長秘書、国際経済部次長、広報部長、財団法人経済広報センター常務理事、ものつくり大学教授を経て、現職。
マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。