昨年10月に開所したPFI方式の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」(浜田市旭町丸原)内の診療所が、人工透析を必要とする受刑者受け入れを見合わせていた問題で、診療所を運営する県は8日、5月の連休明けから患者受け入れが可能と発表した。診療開始日は今後、法務省が決定する。一方、県は、同診療所の眼科で実施する予定だった一般住民の診療についても、見合わせていることを明らかにした。
同刑務所のある地域には、眼科医がいないため、同診療所では眼科に限って地域住民の診療を受け入れる予定だった。
県医療対策課によると、収容者532人(3月末現在)に対して診療所の眼科医師は1人しかいない。医師は月1回、受刑者の診療にあたっているが、先月の眼科診療件数は26件あった。診察数や1人あたりの診察時間が想定以上という。
岸川慎一・県医療対策課長は「受刑者の診察が多く、落ち着いてからと考えていた。なるべく早く始めたい」と話した。
一方、人工透析が必要な受刑者受け入れについては、県透析医会の協力で4人の医師が交代で、火、木、土曜の午後に行うことに決まった。ほかに1人の医師が代替診療できるよう確保されている。募集していた嘱託看護師についても、8日現在、3人の応募があった。当面は患者受刑者3人までを上限に受け入れる予定という。【御園生枝里】
毎日新聞 2009年4月9日 地方版