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西紋5市町村広域連合立の病院で運営〜設立準備委を発足
(4月9日付け)
 紋別市、滝上町、興部町、雄武町、西興部村の西紋5市町村は7日、西紋別地区広域連合立病院(仮称)設立準備委員会を発足させた。北海道から道立紋別病院の移管を受け、西紋5市町村の連合体「広域連合」による運営の新しい病院として来年4月からのスタートを目指す。4月下旬頃、道知事に対して病院の移管を正式に提案する。
 西紋5市町村の首長が7日、紋別市役所で会議を開催して準備委員会の発足を決めた。会長には宮川良一紋別市長、副会長には田原賢一雄武町長が就任した。
 道から移管を受ける際の条件についても、この日の会議で話し合われ、一定の合意を得た。今後の道との交渉案件であるため、その協議内容については報道機関に公開されなかった。
 これまで宮川良一市長は市議会での答弁などで、移管を受ける際、道に求める条件として、道の負担で病院の建物を建て替えることや、一定期間は道に赤字を補填してもらう考えを示している。今後は西紋5市町村側の条件を道が受け入れるかどうかが焦点となる。
 あわせて従来の「広域化検討協議会」は北海道が進める医療の広域化構想にもとづいて将来的な医療の広域化を検討していくため、紋別保健所を事務局とした「西紋別地域自治体病院等広域化・連携検討会議」に移行することになった。
 この日、設立準備委員会に先だって開催された「西紋別地域における医療の広域化検討協議会」では、事務局側(紋別市)が報告した広域連合立の新病院の経営シミュレーションを了承した。
 シミュレーションは条件として、現道立紋別病院の18診療科を維持し、人工透析は9台でスタートし、4年後の平成25年度に目標の15台に達すると想定。同様に常勤医師は15名でスタートし、4年後には20人、平成30年度には目標の26人に達すると設定し、これに応じて患者数も上昇するなど、現道立紋別病院の過去の実績を基本として積算している。
 初年度の平成22年度の損益は6億2420万円の赤字で、そのうち減価償却費を除く実質資金不足額は4億4800万円となる。その後も赤字経営が続くが、医師の増加と、それによる患者の増加を見込んでいくと、平成31年度には損益の赤字額が4億4600万円に圧縮。実質現金不足額も5690万円程度に抑えられる予想となっている。
(西紋5市町村の首長による広域連合立病院の設立準備委員会が発足した=写真=)

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