空中キャンプ

2009-04-08

あたらしい婚活

トルーマン・カポーティの小説に、死んだ妻の墓参りのために墓地を訪れた男性が、ふとしたきっかけから、たまたまその墓地にいた女性と会話になるという短編がある。墓地で見知らぬ女性から声をかけられるという状況にとまどう男性。作品を読み進めると、それは「妻を早くに亡くし、お墓参りにきている独身男性」をターゲットに声をかけ、結婚へ持ち込むべく婚活中の女性であった……ということがわかる。

これは、自分の目標に向かってターゲットをいさぎよく絞りこんだ、なかなかいいアイデアではないかとわたしはおもった。自分がなにを求めているかがはっきりしていなければ、こうした行動は起こせない。墓地という場所の選択にも意外性があっていい。短編では、女性のほんとうの意図があからさまになってしまい、婚活は失敗するのだが、こうしたアイデアはさまざまな場面で活用できるのではないだろうか。

弁護士を狙うなら、裁判所の近くにある定食屋さんで働くのはどうだろう。弁護士が昼食を食べにきたら、こっそりごはんを大盛りにしてあげるのだ。アウトドア好きの男性がいいなら、河口湖にいき、すてきな雰囲気の男性を見つけて「釣りのしかたがわからない」と訊いてみるのもいいかも知れない。料理の上手な男性がタイプなら、調理師免許の試験会場を探して、試験日にはその周辺をできるかぎりセクシーな感じで歩いてみる。いずれにせよ「なるべく近くにいくこと」がたいせつだとわたしはおもう。

でも、今はインターネットがあるから、わざわざ墓地まで出向かなくても、寡夫.comとかですぐに見つかるかも知れないですね。妻を亡くした独身男性が。やっぱり情報ってとっても便利。考えてみれば、ひとりで墓地をうろうろするのって、けっこうたいへんですからね。わたしも、綾瀬はるか.comで、すてきな綾瀬はるかに出会いたいです。