福井のニュース

北陸高に「被爆桜」 広島から苗木 生徒ら植樹 3月23日午後8時20分

写真

北陸高の正門玄関前に被爆桜の苗木を植える生徒ら=23日、福井市の同校

 広島市内で被爆しながらも今なお毎年、満開の花を咲かせる「被爆桜」の苗木が23日、福井市の北陸高に植樹された。被爆桜は広島市の安田女子中・高校にあり、同高校生徒会が「平和に対する夢と希望を発信したい」と、今年初めて全国の学校に苗木を配布。その1本を受け取った北陸高生徒会は「原爆を耐え抜いた力強い桜。わたしたちにもエネルギーを与えてくれるはず」と喜んでいる。

 被爆桜は爆心地から約2・1キロの安田女子中・高校にあるソメイヨシノ。1945年8月6日に被爆したが、現在も花を咲かせ続けている。同高校生徒会では2007年から接ぎ木による苗木作りを開始。1年間で20本が約1メートルの苗木に成長し、うち12本を交流のある全国12の小中高校に送った。

 両校は女子ソフトボールの強豪同士として数年前まで全国大会や遠征練習で交流があり、安田女子高の生徒会が今年1月に北陸高に手紙を送付。「(被爆した)桜の命を後世に伝えていくことが、ヒロシマに生きる自分たちの使命であり希望」と植樹への協力を呼び掛けた。

 北陸高生徒会は「安田女子高の熱い思いを感じた。ぜひ協力したい」と快諾。3月上旬に届いた苗木を終業式を終えたこの日、生徒会執行部の生徒約30人らが正面玄関前に植えた。

 苗木はまだか細いが、枝の先にはふくらみかけた小さなつぼみが見える。生徒会長の高井勇気君(2年)は「自分たちの手で植えた桜には愛着がわく」と笑顔。同校の竹田空尊理事長は「苦難を乗り越えて咲いている桜であることを生徒たちに感じ取ってもらい、それぞれが人生の花を咲かせる力につなげてほしい」と話している。



福井のニュース一覧 全国ニュース一覧 47ニュースはこちら


見えないものが観えてくる。新白聞スタイル