農林水産省は7日、農作物が作られていない耕作放棄地についての初めての実態調査の結果を発表した。未調査分の推計をあわせて全国で28万4000ヘクタールがそのままでは農地として使えないことが判明。そのうち14万9000ヘクタールは機械を使って草や木を抜くなどすれば農地として回復できるが、13万5000ヘクタールは既に森林や原野になっており、復元が不可能と分かった。
耕作放棄地は2005年の調査で38万6000ヘクタールあるとされ、埼玉県の面積ほどに拡大している。今回はそうした放棄地がどの程度の作業で農地に回復できるかを調べた。容易に回復できる放棄地を緑色、建設機械を使う必要があるのが黄色、復元が不可能なのが赤色に地図上で分類した。ただ、調べきれなかった部分も多く、すべての耕作放棄地の実態は把握できていない。
政府は2011年度までに重要な地域を中心に耕作放棄地を解消する目標を掲げている。今年度当初予算でも放棄地の解消対策を設けたが、10日にも決める追加の経済対策でも強化する方針だ。(07日 23:01)