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元部長代理、指導役の立場悪用 三菱UFJ証券顧客情報売却 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:不祥事
「とにかくカネがほしかった」。8日、元幹部が約5万人分の顧客情報を名簿業者に売却したことを発表した三菱UFJ証券(東京・丸の内)。東京証券取引所(兜町)で会見した前田孝治常務らは深々と頭を下げて謝罪し、管理体制の甘さを露呈させた。一方、同社のほぼ全顧客に相当する約149万件の情報を持ち出した手口は幹部の立場を悪用したもので、動機についても「消費者金融への借金返済」と、有名企業の社員らしからぬ説明をしているという。
同社の説明によると、顧客情報を持ち出した元部長代理(44)は、システム会社2社を経て、平成2年に三菱UFJ証券の前身だった旧ユニバーサル証券に入社。以降、システム畑でキャリアを積み、社員のコンピュータープログラミングを指導する立場まで出世した。
顧客情報を持ち出した手口は中堅幹部の立場を悪用したものだった。同社では、顧客情報にアクセスできるのは元部長代理を含む8人だけ。「通常、CDやフロッピーディスクなど記録媒体を使っての情報の持ち出しはできない」(同社)という。
だが、指導役の元部長代理は、社員が顧客情報を取り扱っている場合、自身も情報を自由に引き出すことが可能だった。元部長代理は、抜き出した顧客情報を社内サーバーに一時的に保存。定期的なマーケティング業務に紛れ込ませる形で、オペレーターを使ってCDに記録させ、持ち帰っていたという。
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