8日午後0時20分ごろ、広島県呉市広両谷1の市道バス停で、呉市営路線バス=竹永新造運転手(60)=が、降ろした直後の下校中の小学生2人をはねた。同市立広小1年の広中美空ちゃん(6)=同市広両谷2=が約1時間半後に死亡、同学年の女児(6)=同市広両谷1=が肩の骨を折る重傷を負った。県警広署は自動車運転過失致傷容疑で竹永容疑者を現行犯逮捕、今後、同致死容疑に切り替えて調べる。2人は6日に入学したばかりだった。
逮捕容疑は、バス停で同小1年生3人が降り、うち2人がバスの前を横切ろうとした際、発車させてはねたとしている。竹永容疑者は「衝突するまで気がつかなかった」と供述しているという。
市道は、住宅街を抜ける幅約2.8メートルの1車線道。付近に幹線道がないため、交通量が多く、バスも通行している。
同小によると、現場と同小の距離は約750メートルだが、徒歩で通学しての交通事故を防ぐため、この市道沿線に住む児童は地域循環の路線バスに乗るよう指導していた。
1年生はこの日正午に校庭に集まり、一斉下校した。事故時、このバスには1年生19人、登下校時の付き添い女性教諭1人、一般乗客3人が乗っていた。同市交通局によると、竹永容疑者は嘱託職員で、勤務歴約40年のベテランだった。
美空ちゃんの祖母・住吉シカヨさん(68)によると、美空ちゃんは3人姉妹の末っ子。住吉さん宅は現場近くにあり、7日の下校時はバス停まで迎えに行き、一緒に昼食を食べた。8日も昼食をともにする約束だったが、美空ちゃんが「友達と帰るから、迎えにこなくていいよ」と言い、迎えに行かなかったという。住吉さんは「今となっては、今日も迎えに行ってあげればよかった」と声を詰まらせた。【牧正、井上梢、寺岡俊】
毎日新聞 2009年4月8日 21時48分(最終更新 4月8日 22時03分)