カブール(CNN) アフガニスタンの議会がこのほど可決した法案をめぐり、女性の人権を侵害するものだとして国内外で批判が高まっている。カルザイ大統領は、憲法に違反する内容があれば法案を差し戻すと表明した。
問題の法案は国内少数派であるイスラム教シーア派の独自性を認める内容。下院の賛成多数で可決され、上院に送られた。反対派の女性議員らによれば、この法案では女性が男性家族の許可なく外出する権利を認められない一方、夫は妻に拒まれても性交を強要できてしまうという。
オバマ米大統領は法案を強く批判、カルザイ政権に反対の意を伝えたことを明らかにした。先に開かれた北大西洋条約機構(NATO)のアフガニスタン対策会議でも各国から非難の声が上がった。
これに対しカルザイ大統領はカブールで記者団に対し、「同盟諸国の懸念は分かるが、そうした懸念は西側メディアの誤訳や誤解から生じたものだ」と釈明した。
法案については司法省でじっくり検討し、両性の平等を定めたアフガニスタン憲法に違反していないことを確認すると表明。「懸念事項があれば議会に差し戻すことを約束する」と語っている。