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【群馬】

浅間山噴火 警戒レベル 3から2 引き下げ

2009年4月8日

 断続的な火山活動が続く浅間山について、気象庁は七日、約二カ月ぶりに噴火警戒レベルを3から2に引き下げた。被害の危険度が低下したことで、地元の嬬恋村や隣接する長野原町の関係者は、一様にホッとした表情を見せた。一方、県は「新たな噴火の可能性に対応することが必要」として、今後も警戒活動を継続する。 (山岸隆、中根政人)

 気象庁の発表に、県は「噴火警戒の体制に変更はない。引き続き火山活動に注意を払っていく」とした。県危機管理室は、国土交通省利根川水系砂防事務所(渋川市)の撮影映像を基に、土日も含め二十四時間体制の監視活動を行っている。

 一方、県農政部は警戒レベルが3となった二月一日以降の農作物の被害状況をまとめた。同月二日の小規模噴火で富岡市と下仁田町のホウレンソウやネギ、ブロッコリーなどが降灰被害を受けたが、ほかの被害は報告されていない。うちブロッコリーの一部を廃棄処分とした以外は、農作物の出荷に影響はなかった。

 地元の嬬恋村は、噴火翌日の二月三日に災害対策本部を災害警戒本部に引き下げて警戒を続けてきたが、七日午後一時半に同本部の設置を解除。通行止めにしていた、火口から約二・二キロの村営観光施設「しゃくなげ園」に通じる林道の通行規制も解除した。

 村観光商工課の担当職員は「噴火直後は、観光客の問い合わせや大きなホテルを中心に、キャンセルが相次ぐなど少なからず影響が出た。本格的な観光シーズンを迎えるゴールデンウイーク前に、規制が引き下げられてよかった」と安心した様子だった。

 隣接する長野原町も、二月一日から設置していた災害警戒本部を七日午後一時半に解散した。町総務課は「北軽井沢や川原湯温泉など観光地を抱えるだけに、ホッとした」と喜んでいた。

 

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