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【社説】盧武鉉前大統領の謝罪文を読んで(下)

 盧前大統領自らの借金でないのなら、権氏は何のためにいくらの借金をしたのか。またなぜ夫の大統領在任中に金を受け取ってまで、その借金を返済する必要があったのだろうか。昨年退任した盧前大統領の資産は、5年の在任中に5億ウォン(約3800万円)増えたとされている。

 大統領府の総務秘書官が大統領夫人のために金の世話をしていたことについて、大統領は何の報告も受けていなかったのだろうか。あるいは、大統領本人も知っていたのか。この点についても疑問が残る。大統領府の秘書官が直接動いて数億ウォン(1億ウォン=約760万円)もの資金を工面したのだから、別の担当官や部処(省庁)の人事や利権など、数々の口利きを頼むようなことはなかったのか、という疑問も当然残る。

 盧前大統領は在任中、「過去の政治は汚れていて、機会主義的で正義を捨てた」などと非難し続け、「特権と反則のない政治」を標榜してきた。その一方で大統領府の内側や秘書室では、数々の不可解な出来事が起こっていたということだ。

 盧前大統領の兄・建平(ゴンピョン)氏は2004年、収賄容疑で裁判を受けた。その後も06年には農協による世宗証券買収に介入して29億ウォン(約2億2000万円)を受け取るなど、数々の容疑が今になって明らかになっている。建平氏の妻の弟も03年に会社経営者らから17億ウォン(約1億3000万円)を受け取った容疑で、やはり刑務所に入った。そして今や盧前大統領本人と夫人までもが検察の取り調べを受ける立場となっている。本人たちにとっても不幸なことだが、これを見守る国民も本当に心苦しい。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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