転院タクシー利用ゼロ 岩手・無床化1週間

 岩手県医療局の地域診療センター無床化で、転院を余儀なくされた患者家族向けの送迎用無料タクシーが、無床化から1週間を経ても全く利用されていないことが7日、分かった。空のジャンボタクシーを走らせているケースもあり、医療局の需要予測のお粗末さを批判する声も出ている。

 無床化されたのは花泉(一関市)、大迫(花巻市)、住田、紫波、九戸の5センター。大迫と住田は転院先との間でジャンボタクシーを一日3便運行し、残りの3センターは利用の申し出を受け、一般のタクシーを呼ぶことにしている。

 各センターとも家族に利用可能なことを説明しているものの申し込みはゼロ。大迫と住田は空車のまま走り続けており、この状態が続けば1カ月で約100万円ずつ無駄になる恐れもある。

 利用がないことにセンター側は「マイカーを使っているのではないか」と推測。「見舞いを控えていなければいいが」と心配する声もある。

 医療局は当初、マイクロバス5台を購入して各センターに配置予定だった。だが、必要性を疑問視する県議会が2月定例会で予算案を否決し、タクシー利用になった経緯もあり、ある県議は「いいかげんな需要予測で、予想通りの事態になった」と強調する。

 これに対して医療局は「あらためて利用状況を確認し、地元市町村との懇談会で、どんな方法が家族にとっていいのか探りたい」と話している。
2009年04月08日水曜日

岩手

社会



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