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GM大宇、為替デリバティブ商品で1490億円損失

 GM大宇が昨年、為替デリバティブ商品の取引で1兆9535億ウォン(約1490億円)に達する巨額の損失を計上していたことが7日、金融監督院が公示した同社の監査報告書で明らかになった。

 同社の為替デリバティブ損失は売上高12兆3107億ウォン(約9400億円)の15.9%に達し、製造業者が為替リスク管理の失敗で、これほどの為替差損を計上するのは韓国では例がない。

 監査報告書によると、同社は昨年の最終損益は8757億ウォン(約670億円)の赤字、税引き前損益は1兆2675億ウォン(約970億円)の赤字だった。07年の最終損益は5405億ウォン(約410億円)の黒字、税引き前利益は6338億ウォン(約480億円)の黒字だった。

 専門家は昨年10-12月期からの世界的な金融危機で同社の業績が影響を受けたことは事実だが、税引き前損失がこれだけの規模に達したことに関しては理解困難だと指摘した。

 同社は昨年7-9月期まで高い工場稼働率を維持し、昨年、一昨年の売上高にも差がなかった。このため、本業の業績を示す昨年の営業損益は2903億ウォン(約220億円)の黒字を出していた。

 ハンファ証券のヨン・デイン部長は「GM大宇より売り上げが3倍以上多い現代自動車の為替デリバティブ損失は1310億ウォン(約100億円)前後だった。GM大宇が輸出中心の企業であることを考えても、デリバティブ損失の規模は説明が付かない」と話した。

 為替リスク管理部門で巨額の赤字発生は、GM大宇の正常な経営活動とは無関係で、GM本社の責任である可能性もある。従って、正確な原因究明が必要で、場合によってはGM本社が損失補てん責任を負う必要も出てくる。

 大規模赤字で法人税が支払われないことについて、韓米の国税当局間での協議が必要となる可能性もある。起亜自動車は昨年末、米国法人の赤字を防ぐため、2億ドル(約200億円)を送金し、会計に反映させた。

 一部の証券アナリストは、GM大宇の巨額デリバティブ損失の一部がGM本社の利益として還流した可能性を指摘する。あるアナリストは「GM大宇が巨額の為替差損の内訳を詳細に明らかにしなければ、GM大宇の利益を意図的に流用した疑惑を生むことになる」と指摘した。

 一方、GM大宇の負債比率は07年の184%から昨年は732%へと急上昇した。短期借入金9600億ウォン(約730億円)、デリバティブ商品の負債が1兆5200億ウォン(約1160億円)など、負債総額は2兆6000億ウォン(約1990億円)に増加した。

崔源錫(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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