市・県など控訴断念 須賀川一中柔道部事故福島県須賀川市の須賀川一中で2003年、当時1年生の少女(18)が柔道部の練習中に重体となった事故の損害賠償請求訴訟で、被告の市と福島県などは7日、計1億5500万円の支払いを命じた福島地裁郡山支部の判決を受け入れ、控訴しない方針を明らかにした。原告の少女の両親も控訴しない考えで、一審判決が確定する。橋本克也須賀川市長は「判決を厳粛に受け止め、1日も早い解決を図るため控訴しない」と説明。判決で校長らによる事故隠しも指摘されたことから、市は第三者機関を設けて当時の関係者の責任追及や処分、賠償金の負担などを検討する。 県の遠藤俊博教育長は「被害者救済を優先させた市の決断に従いたい」と話し、市などともに被告になった元柔道部長の少年(19)の代理人も「判決に不服がないわけではないが、市や県に対応を合わせる」と述べた。 少女の父親(53)は「(控訴断念は)当然だ。事故を隠ぺいした教育委員会幹部の責任を明確にし、けじめをつけてもらわないと、終結したとは思えない」と強調した。 少女は練習の乱取りで頭を強く打って急性硬膜下血腫を発症、今も意識不明の状態が続いている。両親らは約2億3000万円の損害賠償を求めて提訴。地裁郡山支部は3月27日の判決で、学校側の安全配慮義務違反を認めた。
2009年04月08日水曜日
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