北朝鮮のミサイル発射に、友好関係にある中国は日米韓などに冷静な対応を求める。北朝鮮に対して単独でも追加の制裁を行う考えの日本とは温度差がある。
日本が北朝鮮に脅威を感じるのは核実験を強行し、核保有国になったと繰り返しているからだ。今回が北朝鮮の主張通り人工衛星打ち上げロケットであっても、核兵器を搭載すれば核ミサイルになる。
ミサイル搭載用の核弾頭を製造しているとも伝えられる。北朝鮮の脅威は一層高まった。しかも、中止要請にも耳を貸さず、日本の上空を通過させた。挑発的な行為に強い憤りを覚える。
手をこまねいているわけにはいかない。北朝鮮に核も、ミサイルも、そして拉致問題も決して許されないと国際社会が結束して圧力をかける必要がある。中国は、北朝鮮に対して協調姿勢に転じるよう説得の役割を積極的に果たすべきだ。
重く垂れ込める核の不安を晴らすと期待したいのは「核兵器のない世界」を目指すとしたオバマ米大統領の演説である。米国をはじめとする核大国が率先して取り組めば、核なき世界の実現は夢ではなくなる。
オバマ大統領は核廃絶に向け、米国は核兵器を使った唯一の国として行動する道義的責任があると語った。唯一の被爆国日本は、核の恐ろしさを世界に伝える責任がある。