八戸市議会議員 藤川優里さん
小麦粉の塊を小麦粉の衣で揚る「南部煎餅の天ぷら」に賛否両論!
胸を張って言えることは、八戸の食事がどこの地方よりも美味しいこと。
構成・文=上島寿子 撮影=小原孝博
藤川優里
1980年生まれ。帝京大学文学部心理学科卒業。2007年、父が2度目の県議選に落選。六本木ヒルズのIT企業に就職が決まっていたが、その場で市議選への立候補を決意。選挙中から多くの聴衆が“美しすぎる”藤川候補の演説に駆けつけ、6962票を得てぶっちぎりのトップ当選を果たす。助産師の業務拡大など着実に実績を重ねる一方で疲弊した地方経済を憂えている。「八戸観光は、ウミネコの数がヒッチコックの『鳥』並みになる4月後半にいかがでしょう(笑)?」。
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市議になって変わったのは、視察で各地に行く機会が増えたことです。胸を張って言えることは、八戸の食事がどこの地方よりも美味しいこと。いつも心の中で「勝った」と思っています。“八戸前沖鯖”は脂がのって関鯖に負けない美味しさですし、大型の“銀鯖”にいたっては八戸に来ないと食べられないんです。
ほかにも、アワビとウニを煮た“いちご煮”、南部煎餅の“せんべい汁”や“天ぷら”などもお勧めです。せんべい汁って普通は鶏肉や牛蒡、白菜など具をたくさん入れるのですが、受験勉強をしているとき、夜食に母がよくつくってくれたのは人参とねぎだけとシンプルなもの。私の味覚のベースとなった思い出の味です。
南部煎餅の天ぷらは、東京の人が食べたらびっくりするかもしれません。小麦粉の煎餅に小麦粉の衣をつけて食べるなんておかしい、と言わずに、一度よく味わってほしい。薄味でとっても美味しいですよ。
岩手名物としても南部煎餅は知られていますよね。八戸はもともと南部藩だったので岩手県と共通点が多いんです。一戸、二戸は岩手県。三戸からは青森県になって、九戸はまた岩手県に戻る。逆に同じ青森県でも日本海側の津軽藩とは文化も言葉も違う。歴史上敵対関係にあったので「津軽が攻めてくる」と刀を抱いて津軽のほうを向いて寝ていた方もいらしたとか。南部と津軽の住民感情は今でもちょっと複雑です。
新幹線「はやて」が来年12月に新青森駅まで行くことになります。八戸駅はただの通過駅になってしまう可能性もある。死活問題なので危機感をもって職務に臨んでいます。
市民からの相談も日々舞い込みます。簡単に「生活保護を受けたい」と言う若い人が多いのですが、「その前にできることをやってみませんか」とアドバイスしています。以前なら地域コミュニティーの中で対処していた問題も、人とのつながりが希薄になり、市の仕事が増えている。地方の売りでもあった住民力を守り育てる必要性を痛感しています。地元密着の市議の仕事はすごくやり甲斐がありますね。
そもそも政治家の秘書志望だったので、議員の勉強は一からです。街頭演説は先輩のを聞いたり、オバマ大統領の演説集も買いました。地方を活性化させるためにも中央の政治も知っておきたい。ある県議の方に「もし、国会にいくことになったら、秘書として連れていってください」と冗談交じりに言ったら、「自分より有名な秘書はいらないよ」と断られてしまいました(笑)。
私、犬を飼ってるんです。14歳になるパグなんですけど、可愛くてしょうがない。父には「優里が結婚しないのは、あの犬のせいだ」と言われています。
上島 寿子
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