薬害オンブズパースン会議 YAKUGAI OmbudspersonMedwatcher Japan

「薬害オンブズパースン会議」は民間の医薬品監視機関です。

>

注目情報

2009
2009.03
2009.02
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997

Get Adobe Reader

PDF形式の資料をご覧いただくには、Acrobat Reader が必要です。
Acrobat Reader はアドビシステムズ社より、無償で配布されています。
2008-09-19

米国有力上院議員が米国精神医学会に製薬企業からの資金について説明するよう要求


(キーワード:米国精神医学会、製薬企業からの資金、利益相反、グラスリー上院議員)

 米国上院財務委員会の有力メンバーであるグラスリー上院議員(共和党)が、米国精神医学会に対し、7月24日期限で、製薬企業名、金額、供与理由の開示を求めている。グラスリー氏の活動は当会議の注目情報(※1)でも紹介している。医学系の学会に対して製薬企業からの資金の公開を求めることは、当会議が日本肺癌学会に対して、「ゲフィチニブ使用に関するガイドライン」作成にかかわった委員とアストラゼネカ社との経済的な関係の公開を求めている事に関し、同学会が公開を拒否していることからも注目される。以下はBMJ誌2008年7月26日号記事の要約である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 グラスリー上院議員は米国精神医学会への手紙の中で、「製薬会社は自社製品の販売促進を期待して非営利団体に対して資金を提供する」と主張している。彼は政府健康保険プログラム、メデイケア(8000万人の高齢者公的医療保険)、メディケイド(6500万人以上の低収入の人々のための医療補助)の医療ケアを監視する上院財務委員会の有力メンバーである。
彼は3万8000人の精神科医師を代表する学会に対して、製薬会社や製薬会社によって設立された基金から提供された資金についての説明を求めた。資金は補助金、寄贈、および会議や研修の後援を含み、2008年7月24日までに製薬企業名、金額、供与理由の開示を求めている。また、企業から資金を受け取るポリシーについて説明し、どう制限をしているかについても説明するよう求めている。
 米国精神医学会の会長であるネイダー・ストットランド(Nada Stotland)氏は、「要求された資料は直ちに集められており、学会の機構は医学と産業の関係の情報公開や完全な透明性をサポートすることを重視することにおいてリーダー的な存在である」と語った。
 「1例としては、精神障害に関するマニュアルを更新するための特別委員会の仕事をしている医師は精神医学の診断と治療に関心のある企業との重要な財政的な関係を明らかにしなければならない。彼らは、1年間に1万ドル以上を関係企業から受け取ることを許されない。 この公開のレベルは前例のないものであり、企業との関係において連邦機関の規制より厳格な制限を確立している。」とストットランド氏は語った。
 情報が利用可能な最新の年である2006年の1年間に、学会は総収入の約29%を製薬企業から受け取った。資金調達は3種類あり、雑誌と年次総会の展示における広告収入は総収入の15%に相当し、特別研究員への支給金や研修医の会議のようなプログラムに対する自由な資金が約8%、そして、年次総会のシンポジウムへの製薬企業からのサポートは約6%に達した。 (M)
関連資料・リンク等

ページトップへ