民主党の小沢一郎代表は7日、党本部での記者会見で、自らの進退問題に関連し「(次期衆院選で)必ず国民の信を得て政権を取れると現時点で認識している」と述べ、代表を続ける意欲を改めて表明した。小沢氏は政治資金規正法違反事件での秘書逮捕以降、衆院選への事件の影響を「進退の判断基準」としてきたが、代表就任から満3年に当たるこの日、こうした姿勢を事実上転換し、自らが代表として次期衆院選に臨む考えを示した。【野口武則、渡辺創】
小沢氏は衆院解散・総選挙の時期について「(09年度)補正(予算案)を提出すると言っている。その後に選挙があっても大丈夫な態勢を全面的にとっていきたい」と述べ、補正提出直後の解散を視野に入れる姿勢を強調した。捜査が二階俊博経済産業相側に及んだ場合の進退の判断を問われると、「筋道が変な話。役員会などで(続投の)了承を頂いたばかりなので、当初の目標に向かって皆と頑張っていく」と語気を強めた。
小沢氏の強気の姿勢に、党内ではさまざまな憶測が広がる。その一つが「検察の捜査が終結するまで判断を待っているのでは」(中堅)との見方だ。
小沢氏は3月19日、滞在する東京都内のホテルで鈴木宗男衆院議員らの訪問を受けた。鈴木氏は東京地検に逮捕された自身の体験を基に「捜査の終わりを見極めるべきだ。代表本人(の立件)を狙っているから気を抜いたらいけない」と助言し、小沢氏は聴き入っていたという。
小沢氏は7日の会見で「捜査が終わったかどうか私には分からない。検察当局が『終わった』と言うと思う」と述べ、捜査の行方を見極める姿勢を示した。
その後、東京都内での鈴木氏のパーティーで「鈴木先生と機会ある時に話しているが、これは我々個人の問題ではない。民主主義を定着させるため、国民主導の政治を実現しなければならない」と強調した。
党幹部は小沢氏の「再続投宣言」に「小沢代表は『今は反転攻勢の時期だ』とみている」と解説した。だが、小沢氏と距離を置く議員からは「小沢代表のまま選挙に突っ込めば、選挙の弱い人が悲鳴をあげる」と不満が漏れた。
毎日新聞 2009年4月7日 21時29分(最終更新 4月7日 22時03分)