■ 市立室蘭総合病院に警察OBの医療安全対策監を配置
【2009年4月7日(火)朝刊】


 市立室蘭総合病院(近藤哲夫院長)は4月から、医事課医療相談係に、警察OBの医療安全対策監を新たに配置した。矢野健治さん(57)。前職は函館方面本部警務課相談センター担当の警部補。医療者や事務職員に理不尽な要求をしたり暴言をはく、暴力を振るうなどマナー違反者への対応が主で「安心、安全な病院に」と意欲を見せている。

 同院でも全国同様にいわゆる"モンスターペイシェント"が増加。担当職員が駆けつける事例も年間20件前後発生している。

 理由を聞いたり、謝罪したり、理解してもらい説得したり―の対応が続いたが「暴力まで振るわれ、身の危険を感じることもあった」と、対応しきれないトラブルが増えていた。職員が暴力を受けけがしたケースもあり、警察通報は年間4、5件以上となっている。

 「何より周囲の患者さんや家族の安全確

保と診療の妨げとなることを避けたい」と、病院内での検討と議会論議を経て、専門的担当者の配置となった。

 矢野さんは昭和45年北海道警察に入庁以来、釧路、北見、札幌、函館各方面本部で長らく刑事畑を歩んできた。平成13年に道本警察相談課配属が転機になった。

 以後、刑事事件からDV、ストーカー、少年非行、振り込め詐欺、いじめ、家事民事など、道民からの“よろず相談”を担当。相手の意をくみながら広い範囲のトラブルに対し臨機応変に対処するノウハウを身に付け、人間的魅力も磨かれた。

 「警察では正義だったが、病院では信頼を大切に職務にあたりたい。相手の身に立った紋切り型ではない対応を」と、柔和な表情の奥に剛健さを垣間見せている。趣味は野球、サッカーなどスポーツ観戦。帯広市出身。
(竹浪恒一郎)

 
 


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