福島放送局

2009年4月7日 19時54分更新

須賀川市は控訴せず


6年前、須賀川市の中学校で柔道部の部員だった女性が練習中に意識不明になった事故をめぐる裁判で、市や県などに損害賠償を命じた1審判決について橋本克也市長は控訴せずに賠償金を全額市が負担する方針を明らかにしました。

この裁判は、6年前の平成15年10月、須賀川市立第一中学校で当時1年生だった女性が柔道部の練習中に男子生徒に技をかけられ、頭を強く打って意識不明になった、事故をめぐって女性と両親が須賀川市や県などの責任を訴えて起こしました。
1審の福島地方裁判所郡山支部は、先月27日「顧問の教師は女性が事故の前にも頭を打って脳内出血を起こしていたことを認識していながら何ら対策をとらなかった」などとして市と県の管理責任を認め1億5600万円あまりの損害賠償を命じました。
これを受けて須賀川市の橋本市長は7日記者会見し、「意識が戻っていない女性のためにも早急な解決が必要と考え、賠償金を全額市が負担することにした」とのべ控訴しない方針を明らかにしました。また、当時の顧問や校長の処分などについては判決が確定してから、県とともに対応するとしています。これについて女性の父親は「控訴しないのは当然のことだと思いますが、事故の真実を隠してきた市の教育委員会の責任も追究してほしい」と話してます。
一方、福島県はNHKの取材に対して須賀川市と同じく控訴しない方針を明らかにしています。