八王子市の京王相模原線南大沢駅近くに20日、都内で102カ所目の警察署「南大沢署」が開設される。警視庁管内で署の新設は98年7月の竹の塚署以来10年ぶり。新庁舎の報道公開が6日行われ、副署長に就任予定の久島雄二・南大沢署設立準備室次長は「周辺の治安をしっかりと守っていく拠点としたい」と話していた。
八王子市内では、南大沢署近くで「多摩ニュータウン」の開発が進められており、今後の人口増加が見込まれている。また、南大沢署は八王子、町田両署の管轄地域の一部を受け持つため、両署の負担が軽減され、それぞれが事件・事故の発生に迅速に対応できることも期待される。
警視庁によると、八王子署の年間110番受理件数(08年)は3万1019件で都内最多。同署は「今は1日約85件ある通報が、署の新設で50件程度になるのでは。事件・事故現場により早く到着できるようになる」としている。
新庁舎は地下1階、地上6階建てで、総事業費は39億円。職員数は約300人を予定。101人収容できる留置施設を備え、20室中10室の壁は精神的に落ち着くとされる淡い緑色に塗られている。都内初の試みだ。
管轄地域は八王子市内の▽南大沢▽北野町▽大塚--などと、町田市の▽相原町▽小山ケ丘--など。管轄地域の居住者数は21万6000人。新設により八王子署の居住者数は約37万人から約20万人に、町田署は約41万人から約37万人に減少する。【青木純】
毎日新聞 2009年4月7日 地方版