北朝鮮の「ミサイル」発射を伝える信濃毎日新聞号外に手を伸ばす人たち=5日午後1時すぎ、長野市大門上 |
北朝鮮の「ミサイル発射」のニュースが伝わった5日、県内では何事も起きなかったことへの安堵(あんど)や北朝鮮への批判のほか、「有事」を強調するかのような政府の対応を疑問視する声も上がった。
飯山市のJR飯山駅近くの店で、前日に続いて防災行政無線で経過を聞いた女性店員(67)は「日本の上空を通り過ぎたと聞き、ほっとした」と安心した表情を見せる一方、「どうして北朝鮮は迷惑をかけることをするのでしょう」と首をかしげた。
やはり防災無線で情報が流れた諏訪市の嶺豊彦さん(62)は「これからも平和問題について考えていかないとならない。万一の備えとして危機意識を持つ必要はある」。松本市の会社員鎌田茂さん(47)は「大騒ぎしただけで、結局、発射を止められず、日本は何もできなかった」としながら、「わたしたちが国を守るために何が必要なのかを考えるきっかけにはなったと思う」と話した。
一方、過去に平壌の学校にコメを贈る支援活動をしていた日朝松本市民会議の杉本文男会長(85)=松本市=は、ミサイル防衛態勢を敷くなど一連の政府の対応に「まるで戦争前夜」。交渉による解決の道を探るべきだと求めた。
「憲法9条を守る県民過半数署名をすすめる会」の呼び掛け人の1人で報道写真家の石川文洋さん(71)=諏訪市=は「ミサイルなら平和を願う国際社会に逆行しており、批判されるべきだ」と指摘。その上で「恐怖心をあおって防衛の必要性をアピールする雰囲気は戦時中のようだ」と懸念し、「わたしたちは先入観を持って都合よく情報を選びがち。冷静に対応したい」と話した。
信濃毎日新聞社はPDF号外(電子版号外)を発行。この日始まった善光寺御開帳でにぎわう長野市大門上で、号外を受け取った信大理学部2年朝倉瑞樹さん(20)=松本市=は「そんなに心配はしていなかったが、とりあえず被害がなくてよかった」。「ミサイル」が近くを通過した盛岡市から家族と訪れた一盃森(いっぱいもり)サチコさん(68)は「疑い、いがみ合ってしまうようなことをするなんて」と心配した。