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【産経抄】4月7日

2009.4.7 03:59
このニュースのトピックス産経抄

 幕末明治の日本を訪れた各国の外交官のなかでも、イギリス公使パークスの傲慢(ごうまん)は際立っていた。人と話すときも、机に足をのせ、靴底を相手に向けたままだった。あるとき、西郷隆盛が、パークスに対して同じ態度を示した。

 ▼パークスが憤然として無礼をなじると、西郷がこう切り返したという。「無礼なことはお互いにやめましょう。私はこれが貴国の礼儀かと思っていた」。詩人の堀口大學の父親で、外交官だった九萬一(くまいち)が、書き残した逸話である。

 ▼拉致問題で誠意ある行動を取ろうとしない北朝鮮の金正日総書記は、相変わらず日本に対して、靴底を向けたままだ。日本上空を通過した北朝鮮のいうロケットは、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の改良型とみられる。他人の家に土足で上がり込む無礼と同じだ。おまけに落下物に備えて、麻生首相が「破壊命令」を出すと、「断固たる報復攻撃を加える」と脅しまでかけてきた。

 ▼識者のなかには、今回のミサイル発射について、米国や韓国に比べて日本は、騒ぎすぎるという人がいる。しかし、北朝鮮はすでに、テポドンとは別に、日本を射程に収めた中距離弾道ミサイル「ノドン」を実戦配備している。日本人が敏感になるのは当然ではないか。

 ▼案の定、読売新聞が、先週末に実施した世論調査によると、「日本政府は北朝鮮への制裁を強めるべきだ」と思う人が8割近くに達していた。ミサイルの打ち上げの費用と推定される約3億ドル(約300億円)でコメを買えば、1年間の食糧難を解消できたはずだという。

 ▼飢えに苦しむ人たちに、救いの手をさしのべることに異存はない。ただ北朝鮮よ、交渉のテーブルにつくまえに、机から足を下ろしなさい、といっているのだ。

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