【ラクイラ(イタリア中部)6日共同=太田清】米地質調査所(USGS)によると、イタリア中部で六日午前三時半(日本時間同十時半)ごろ、マグニチュード(M)6・3の地震があり、イタリア紙コリエレ・デラ・セラ(電子版)は死者が子どもを含め百人を超えたと報じた。がれきの下敷きになるなど千五百人が負傷、死傷者数はさらに増える可能性がある。ベルルスコーニ首相は六日、国家非常事態を宣言、被災地を視察した。
教会など多数の建物が損壊、ロイター通信などによると、五万人が被災し、三千―一万棟の建物が損壊した可能性がある。政府はテントなど二万人分の簡易宿泊施設を準備中。当局によると、ラクイラなど二十六の市町村に被害が及んだ。
現地の報道では、日本人が被害に遭ったとの情報はない。
震源は首都ローマの北東九五キロで、震源の深さは一〇キロ。地震の揺れはローマでも感じられた。
AP通信によると、被災地では消防隊が救助犬を伴い、がれきの下に生存者がいないか捜索。災害当局者は「(同国で)二十一世紀に入って、最悪の悲劇だ」と述べた。ラクイラでは学校の寄宿舎が崩れ、生徒五、六人が生き埋めになっているという。
中世に栄えたラクイラはルネサンス様式の聖堂などで有名。古い建物も多数ある。
イタリアは地震国で、二〇〇二年には中南部で強い地震があり、カンポバッソ県の幼稚園、小・中学校の合同校舎が崩落、園児ら三十人近くが死亡した。
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