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中国で男児の人身売買が横行、米紙報道

 中国・広東省の珠江デルタ地域に住む女性は最近、生後9カ月になる大事な息子を失った。7歳になる娘が赤ちゃんを抱いていた時、突然車が現れ、窓越しに手を伸ばし、赤ちゃんを奪って消えたのだった。

 5日付ニューヨーク・タイムズは、男児を好む風潮が依然として強く残っている中国で、男児を誘拐して売買する犯罪が横行していると報じた。民間団体の主張によれば、珠江デルタ地域だけで年間数千人の子供が誘拐されており、全国で誘拐される子供の数は毎年数十万人に上るという。

 誘拐される子供の大半は男児を望む家庭、特に男児を好む傾向が強い南部の農村地域に売られていると推定される。一部はシンガポール、マレーシア、ベトナムなど周辺国に売られているケースもあるという。

 中国の多くの農村部では男児を産むために多産の傾向があるため、政府が出産制限政策を取っている。農村世帯で第1子が女児だった場合、もう1人の出産が認められるが、第3子を産めば5800ドル(約58万円)の罰金が科せられ、職場を失うなどの厳しい制裁を受ける。しかし、男児を買えば取引価格は罰金の半額程度だ。同紙によれば、政府もそうした事実に目をつぶるケースが多いという。

 同紙は子供を失ったことに苦しむ親は、当局に対策を求めているが、無視されていると伝えた。

ウォン・セイル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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