2009年4月5日

移動休日のためお休みさせていただきます。

ニューヨーク州マンハッタンにて　田口壮　

2009年4月4日

ＮＹでの試合を終えて、2度目の別れの挨拶です。
メジャー組はバスへ。僕らマイナーからの「お相伴組」はバンに乗って移動。
僕はＮＹのもう1泊と、明日の移動と休みをもらいましたが、他の選手はこのままアリゾナに直帰して、明日は練習です。
また始まるという憂鬱で寂しい気持ちが湧き上がりました。

「何が一番憂鬱で寂しいの？」と電話でヨメ。
「きつい移動とか・・・食事とか・・・・」
「マイナーリーガーだっていうステータスじゃなくて、現実的な待遇がつらいんだ？なーんだあ！」
「だってホンマにきついのに」
「でも、それはマイナーリーガーや、って心がいじけてるわけじゃなくて、単に目の前に起きてることがしんどいだけでしょ。単なる不平かあ。じゃあまだ大丈夫ってことだねー」

そう。野球は大丈夫。野球は楽しい。どこでやっても、野球は大好き。
メジャーでやれば、もっともっと楽しいだけ。今は単に、「あー移動しんどい」「あーチャーターに乗りたい」とか思ってるだけの、甘やかされてしまった私です。

でも、マイナーとメジャーに待遇の格差があるからこそ、
メジャーの舞台はより輝く。
人間、ステータスも大事ですが、精神的・肉体的な格差から脱出することも大事。這い上がってきたほかの選手たちも、それを知っているからこそ
上を目指す部分もあるのです。
「こんなホテルから脱出してやる」
「こんな移動はもうたくさんだ」
「もっとちゃんとしたものを、おなかいっぱい食べたい」

憧れのメジャー、も、「うまいメシ。楽な移動。いいホテル」といった特典があってのもの、と書いたら、がっかりされてしまうでしょうか？
でも、これもひとつのアメリカ野球の真実なのです。

ニューヨーク州マンハッタンにて　田口壮　

2009年4月3日

広々としたビジターのロッカー。
ホームのロッカーには、個々にコンピューターがついているそうです。
各種の肉や魚、さまざまなサラダにラザニヤ、ホスピタリティーあふれた食事にも感激です。
球場自体は、新しいのに、新しいがゆえの「冷たさ」を感じさせない。
僕自身、旧スタジアムに来たことがないので比べられないのですが、古きよきものをそのまま受け継ごうという雰囲気にあふれた新球場は、プレーする選手の気持ちを高ぶらせる、素晴らしい舞台でした。

僕にとっては、2日間だけ許された夢の舞台。
これが終わればまた現実が待っています。
チームと離れて、自分の居場所・マイナーリーグに帰らなければ
なりません。こけら落としのお祭りムードも、そのせいか、少し醒めて、引いた目で見ている自分がいます。

この雰囲気を心にしみこませて。
この高ぶりを忘れないように。
そしてまた、こんな場所に戻ってこられるように。

このスタジアムは、アメリカの野球選手にとって、憧れの場所。
そこからまた、再びの憧れに向かって出発します。

ニューヨーク州マンハッタンにて　田口壮　

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