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【外信コラム】イタリア便り 国民性と鉄道

2009.3.22 03:05

 日本を初めて旅行するイタリア人観光客が一番驚くのは新幹線の発着時間が正確なこと、列車の本数が多いこと、車内が清潔なことである。イタリアの鉄道はというと、これとほぼ反対に近い。

 最近、イタリア北部の諸都市とスイスを結ぶ特急「チザルピーナ」をめぐり、スイスの乗客と鉄道従業員から苦情が噴出し、ウエブ・サイトにも苦情が殺到している。

 この国際列車の運用会社は1993年に、当時のイタリア国鉄とスイスの国鉄が資本金を折半して設立され、車両にはイタリア製のETR470型が採用された。この車両は当時では最新鋭のものであったが、いかんせん技術革新が進む中で取り残され、今や故障が非常に多い老朽車両化してしまった。

 イタリア国内の鉄道なら、延着が20分や30分くらいであれば乗客の方も「またか、仕方がない」と問題にしないが、相手は正確さを誇る時計産業の発祥地スイスである。恒常化した遅れに加え、機関車の故障の多さと車内の不潔さに不満が爆発したわけで、「イタリアの列車のスイス国内での運行はご免被ろう」というまでに発展した。

 今年の半ばまでにフランス製の新型車両ETR610型が導入されるほか、車両整備もこれまでのようなミラノ1カ所でだけではなく、スイス側の要望を入れてジュネーブでも行われる予定だ。鉄道にも国民性が現れる好例である。(坂本鉄男)

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