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【産科医解体新書】(32)愛育病院「指定返上」の波紋 (1/2ページ)

2009.4.7 07:59

 リスクの高いお産を診る「総合周産期母子医療センター」の指定返上を、愛育病院(東京都港区)が都に打診しました。このニュースは、われわれ産婦人科医にとって非常にショッキングでした。愛育病院は昔から、周産期に力を入れている病院として有名で、その病院でさえ限界にきているのですから、まさに産科崩壊ここに極まる、です。

 今回の問題は、愛育病院の労働環境が劣悪だと労働基準監督署から指摘されたことに端を発します。厳密に労働基準法を順守するのであれば、日本全国ほとんどの産科のある病院は法律違反をしています。

 僕のいた医局も総合センターに指定されています。僕がいたころの話ですが、いくつかの総合センターは常に満床で、搬送の受け入れが可能になったためしがありませんでした。つまり、総合センターとしての役割を果たせていなかったのです。これは、病床や人員の関係でやむを得ないことともいえます。

 このころ、僕らに労働時間のアンケートがありました。労働時間超過を疑われたためです。改めて考えると、自分がすごい長時間、病院にいることに気づきました。でも、僕らはそれが普通のことだと思っていました。僕は途中まで記入したのですが、はたと思いました。このアンケートを真剣に記入して提出したら産科が立ち行かなくなると。ちょうど他科でも労働時間が問題になっていて、労基署による家宅捜索がありました。結局、僕らはアンケートを提出しませんでした。

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