2009年4月7日0時40分
震源に近いラクイラでは消防士らが崩壊したがれきを取り除き、下敷きになった人びとの救出を続けた=AP
イタリア中部ラクイラで6日、倒壊した建物の下から救出された女性を運ぶ救助隊員ら=ロイター
イタリア中部ラクイラで6日、地震で倒壊した4階建て建物から救出される被災者=AP
【ローマ=玉川透】イタリア中部で6日起きた強い地震で、イタリアの有力紙レプブリカ(電子版)は、救助隊の話として死者が100人を超えたと伝えた。建物の下敷きになるなどして少なくとも1500人の負傷者が出ており、犠牲者はさらに増える見込みだ。
ロイター通信によると、ベルルスコーニ首相はモスクワ訪問を急きょ取りやめ、非常事態を宣言した。
ローマの北東95キロ付近の震源に近いラクイラでは数千人が家を失い、避難住民は近隣の町も含めると5万人に達したとの報道もある。市内の建物は石造りが多く、教会やアパートなど多数が崩壊。地元メディアは、市内の建物のほぼ半数が使えなくなったと伝えた。電気やガス、水道などはすべて止まっている。
ラクイラは歴史的建造物が数多く、地元メディアは、13世紀末の建築で、ローマ法王ケレスティヌス5世が埋葬されているサンタマリア・ディ・コッレマッジョ聖堂が被害を受けたと伝えた。ANSA通信によると、ローマ市内にある3世紀の遺跡「カラカラ浴場」も損傷を受けたとみられている。