2009年4月7日0時3分
都市部を中心に公立高校定時制の入試に志願者が殺到し、例年にない多くの不合格者を出す事態が起きている。朝日新聞が各都道府県教委に確認したところ、少なくとも18都道府県の計700人以上は定員超が原因で最終的に不合格になっていた。不況で私立が敬遠されたのが原因とみられるが、最多の167人の不合格者を出した大阪府では6日、募集枠を拡大した異例の補欠入試と合格発表、入学式をこの日のうちに一気に敢行した学校もあった。
6日午後、大阪府内で最初に補欠入試が実施された府立春日丘高校(同府茨木市)では、8人の募集人員に対し、13人が挑んだ。午後1時の試験開始から、合格発表、同6時の入学式まで、5時間余りで一気に進んだ。
試験は英語、数学、国語の学力検査で計1時間。その後、すぐに採点し、合否判定会議で合格者を選び、あわただしく発表の準備を進めた。
午後4時、移動式の掲示板が、校舎わきの通路に運ばれ、合格者の受験番号が示された。保護者や友人と一緒に確認に訪れて、自分の番号を見つけ、「よし」「受かってる」と、小さくガッツポーズをする受験者もいた。
大阪市東淀川区の男性(15)は「むちゃうれしい」と顔をほころばせた。全日制の前期、後期、2次を受験し、「全部滑った」。友人たちが次々と進路を決めていく中、不安で仕方なかったという。私立は親から授業料が高いと反対され、「公立しかないと思っていた」。
「安心しました」と表情をゆるめた茨木市の女性(15)も4度目の挑戦。2次募集で同校を受験したがダメだった。仕事を休んで駆けつけて来たというパートの母親(38)は「母子家庭で経済的には無理なので、私立は考えられなかった」と明かした。