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【ゆうゆうLife】NICU満床で救急圧迫 障害児の「地域受け入れ」模索 (3/3ページ)
そのモデルとなったのが「能見台こどもクリニック」(横浜市金沢区)。1カ月あたり延べ300人以上の重度心身障害児のデイケアを行う。小林拓也院長は「小児科医の絶対数が不足している状況では、地域の小児科開業医が障害児への対応能力を高め、各診療所ごとに、ケアする障害児の数を配分し、対応するのが現実的ではないか」と指摘している。
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■半数超「救急搬送受け入れできず」
厚生労働省は昨年、全国75カ所の総合周産期母子医療センターを対象に、救急搬送の受け入れ状況を調べた。それによると、「平成19年度中に救急搬送の受け入れができなかった」と回答したセンターは半数超。母体搬送の場合も、新生児搬送の場合も、断った理由の1位には「NICUに空きがなかった」が挙がった。
NICUがどこも満床である背景には、低体重児が増えていることがある。出生時の体重が1000グラム以下の「低体重児」は年に3500人に迫る勢い。小さな赤ちゃんはNICUに入っている期間が長引く。障害が生じる可能性もあり、1年以上の長期入院の割合も高まる傾向だ。
名古屋市立大学の戸苅(とがり)創教授(新生児・小児医学)は「産科および小児医療の進歩で、1000グラム以下の低体重児でも後遺症なく助かるケースが増えている。低体重すなわち重度障害児ではないが、低体重児のなかの一定の比率で脳性まひは起きる。障害は体重と密接な関係があるので、低体重でも助かる絶対数が増えていることを考えると、結果的に障害が生じるリスクもある」と指摘する。
助けられるのに、育てる環境は十分でない。先の調査では、NICUの整備について、各都道府県の周産期医療担当者で、「ほぼ充足している」と答えたのは25自治体にとどまり、22自治体は「不足している」と回答した。
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