帝拳ジム閉鎖の噂「なくなったらボクシング界終わる」
興行、新人王戦出場取りやめ、練習も休止
辻昌建選手
プロボクシング日本タイトル戦で3月に起きた死亡事故の余波で、ボクシング界が揺れている。亡くなった辻昌建(享年30)が所属した帝拳ジムに閉鎖の噂が流れているのだ。業界内では「帝拳がなくなったら、ボクシング界は終わる」との声も漏れている。辻と激しい打ち合いの末、日本王者となった金光佑治(24、六島)も試合のダメージで選手生命の危機にあるといい、日本ボクシングコミッション(JBC)は再発防止のため、ルールの抜本的な改正を検討している。
3月21日の日本ミニマム級のタイトル戦。KO負けした辻は試合後、緊急開頭手術を受けたが、24日、急性硬膜下血腫のため死去した。
その後、帝拳は外部への説明もなく突然、ジムのホームページを閉鎖。さらに、以降の興行開催や、所属選手の新人王戦への出場を取りやめ、ジムでの練習活動も一時休止してしまった。このため業界内では、「帝拳はジムを閉鎖するのでは」という噂が流れた。
格闘技ジャーナリストの片岡亮氏は「実際、事故直後に帝拳の本田明彦会長が閉鎖を口にした、という話を関係者から聞いた」と言う。
帝拳といえば、いまも世界王者を3人擁する業界の最大手。それだけに、「もし帝拳が辞めたらボクシング界は終わる」と心配する中堅ジムの会長らもいる。
片岡氏の取材に対し、帝拳のマネジャーは「すべてを決めるのはオーナー」と話すのみで、閉鎖について否定も肯定もしなかったという。ただ、「6月ごろには興行を再開すると聞いている」と語る関係者もおり、最悪の事態は避けられそうな見込みだ。
一方、片岡氏によると、王者の金光も激闘の後、病院で精密検査を受けていたという。
金光の所属ジムの枝川孝会長は「検査の結果が出るまでは何ともいえない」と片岡氏に話しており、防衛戦を行わないまま引退の可能性もありそうだ。
今回の死亡事故を受けて、ファンの間ではレフェリーやセコンドの動きが適切だったか議論になっている。1人が死亡し、勝者まで選手生命を失う事態となれば、業界全体でルールを見直す必要に迫られるのは確実だ。同時に、業界の盟主ともいわれる帝拳と、同ジムが所属する東日本ボクシング協会が沈黙していることについての批判もある。ある中堅ジムの会長は「協会の一部の幹部だけで秘密裏に死亡事故への対応を相談したようだ」と語り、「これではボクシング界が内外で信用を失ってしまう」と懸念している。
日本プロボクシング協会は今回の死亡事故を重視し、JBCと合同で今月中にも健康管理委員会を開くことを決めた。あるJBC関係者は「ラウンド数を減らすなど思い切った改革案も出るらしい」と語る。再発防止策も含めた抜本的な業界の体質改善が必要なようだ。
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ZAKZAK 2009/04/06
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