室蘭市は経営難が続く公衆浴場に対する新たな支援制度を創設する。市営住宅施策として風呂なし住宅が立地する地域の公衆浴場を対象に、ボイラーなどの設備投資の一部を補助する。東町大和団地にある吉の湯が第1号として活用する。
市は、市営住宅東町大和団地の憩いの場として長年営業を続けてきた吉の湯が、4月に閉店を検討したことなどをきっかけに、支援策を模索してきた。9月の第3回市議会定例会提出の補正予算案に盛り込む。
対象は浴室未設置住宅団地(大和、水元、白鳥台)内で営業中の浴場で、1日平均入浴客が95.9人未満の施設。現状では吉の湯と水元湯が対象となる。補助額は設備更新費から道補助を除いた経費の2分の1。施設には対応年数の営業が義務づけられる。
補助対象設備は内釜、元窯、バーナー、温水器、温度調節器、ろ過器―など。吉の湯の場合は内釜や元窯などで更新費は313万9,000円。うち、道が約52万円を補助、残りを吉の湯と市が折半する。
市内で浴場未設置住宅は3団地に約1,800戸あり、現状では整備計画が未定。早くても現計画終了後の平成23年度以降の整備になる。 (鞠子理人)
|