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 笑いものだった赤鼻のトナカイを救ったのは、だれ?   

 クリスマスに関わるお話には、心打たれるものが多いですね。
 「赤鼻のトナカイ」という歌をよくご存じだと思いますが、
 この世界的に有名な歌ができる前に感動的な実話が秘められていました。

 それは「真っ赤なお鼻のルドルフ」です。
 (原作「RUDOLPH THE RED-NOSED REINDEER」)
 「真っ赤なお鼻のルドルフ」のお話は、こうして生まれたのです。

 世界恐慌が起こっていた1930年頃、
 アメリカのシカゴにロバート・メイという人がいました。
 彼はシカゴにある通信販売会社でコピーライターの仕事をしていました。

 娘のバーバラが2歳になった頃、
 妻のエヴリンが癌に冒され寝込むようになりました。
 4歳になった娘のバーバラが、ある12月の夜に、ふとパパに尋ねました。

 「ねえ、パパ。私のママは、どうしてみんなと同じじゃないの?」

 彼は思わずバーバラを抱きしめました。
 せめて、この子を幸福な気持ちにしてやらなければ・・。
 しかし、いったい何を言ってあげればいいのか、彼は困りました。
 彼は娘の小さな体を抱きしめたまま考えました。

 そして思い出したのは、自分の子供の頃のことです。
 彼は身体が弱く小柄な少年でした。友人は彼を泣かせて喜んでいました。
 そのクラスメイトのほとんどは大学へ進みましたが、
 貧しかった彼は進学することができませんでした。

 そんな彼は33歳になり、借金にまみれながらも、
 安い給料で毎日精一杯働いていました。

 彼は自分の中のすべての想像力を結集し娘に話したのが、
 この「真っ赤なお鼻のルドルフ」のお話です。

 娘に満足なプレゼントは買ってあげられない彼は、
 お話を本にしてクリスマスに娘にプレゼントしてやろう、と考えました。

 本が完成に近づいたとき、妻のエヴリンが亡くなってしまいました。
 しかし、悲しみにつつまれながらも、彼は毎晩、本を作りつづけました。

 そして本が完成した数日後、会社のクリスマスパーティーに呼ばれた彼は、
 余興として自分の書いた詩をみんなの前で読むことになりました。
 初めは騒々しかった会場はしだいに静まりかえり、
 詩の朗読が終わると同時にいっせいに拍手が湧き起こったのでした。

 この物語は1938年に起こった実話だそうです。
 そしてロバートの詩は1939年に会社から
 「赤鼻のトナカイ(Rudolf the Red-Nosed Reindeer)」と題され、
 デンバー・グレンの挿し絵が添えられ発売されたのでした。

 その後、「赤鼻のトナカイ」という曲ができる1949年の
 クリスマスまでに、この詩は6百万部を超えるベストセラーになった
 ということです。
 よかったですね。本当によかった。
 
 さて、本題に入りましょう。
 きょうの雑学クイズの答えは、「赤鼻のトナカイ」の歌を
 よく知っている人にとっては簡単な問題だったでしょう。
 
 英語のタイトルは「Rudolph The Red-Nosed Reindeer」。
 歌詞は、こんな内容です。

  まっかなおはなの トナカイさんは
  いつもみんなの  わらいもの
  でもその年の   クリスマスの日
  サンタのおじさん いいました
  くらいよみちは  ピカピカの
  おまえのはなが  やくにたつのさ
  いつもないてた  トナカイさんは
  こよいこそはと  よろこびました

 そう、笑いものだった赤鼻のトナカイを救ったのは、
 サンタクロースですね。

 今年は、「赤鼻のトナカイ」の歌を聞いたとき、
 ぜひ、この感動的なエピソードを思い出してみてください。