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2016年東京オリンピック・パラリンピックをテーマに卒業制作!

活動報告

 札幌から、東京オリンピック・パラリンピック招致を応援する素敵なプレゼントが届きました。札幌市立高等専門学校に通う木村仁美さん(インダストリアルデザイン学科5年)は、卒業制作でオリンピックをテーマにした作品「2016 東京オリンピック~観戦者の視点によるオリンピック提案~」を制作。昨年夏の北京オリンピックを実際に北京で観戦した体験から、「オリンピックが選手だけでなく、観戦者にとっても快適であるためのプランを考え、それを2016年東京オリンピック・パラリンピックで実現させたいという思いで取り組みました」(木村さん)と、観戦者の視点から東京オリンピック・パラリンピックへ向けた提案をしてくれました。視覚デザインを専門とする木村さんは、2016年の東京オリンピック・パラリンピックの会場図やチケット、運営案を実際に制作しました。

和紙でつくられた会場図マップとチケット


 2008年夏、単身北京へ出発した木村さんは、念願の生のオリンピック観戦を果たしました。そこで実感したのは、北京オリンピックは“中国らしさ”がすごく出ていること。しかし一方で、英語や中国語を話すスタッフばかりで日本語を話せるスタッフがいませんでした。「試合会場への移動やセキュリティーチェックで、たびたび不安な思いをしました」と木村さんは感動とともに不安も感じたそうです。そこで、特に世界各国からやって来る外国人観戦者の視点に立ち、以下のコンセプトを元に今回の作品制作に取り掛かりました。


1.もっと観戦者の方をもてなしたい
2.開催国を楽しんでもらいたい
3.また来たい、そう思ってもらえるようなオリンピックを開きたい

そのためにまず、ことばの問題を解消するために、会場内に外国語スタッフを多く配置するプランや試合会場へ向かうための専用タクシーの配置を提案。
また、日本らしさを演出するために、和紙を用いたチケットや会場地図を作りました。「和紙は小さく折りたため、かさばらないし丈夫です。おもてなしのこころで日本独自の伝統文化を生かしたチケットは、観戦者に大変喜ばれると思います」(木村さん)。


また、観戦者の方々をもてなし、助ける役目を果たすボランティアのユニフォームとして、日本らしい法被をデザイン。「東京オリンピック・パラリンピックを日本のお祭りとして見てほしい。見て嬉しい、見て楽しいものにしたいと思い一生懸命つくりました」(木村さん)。


着替えも簡単な法被

一生の記念になる上質な厚手の和紙でできたチケット



 木村さんがつくった卒業制作に対して、周囲からは「東京でオリンピック・パラリンピックを見てみたい」という嬉しい声が多数寄せられたそうです。大成功のうちに終えた卒業制作ですが、木村さんは卒業という節目を迎え、これから新しい門出に立ちます。木村さんは、この先「デザインを通して、自分を磨き、オリンピックと関わっていきたい」と力強く語ってくれました。そして、自分と同年代の若者、日本中の人へのメッセージも残してくれました。


 「オリンピックを生で見る感動を少しでも多くの人に伝えたい、きっとみんなそれぞれの人生を重ねて感動できるもの。是非、東京でオリンピック・パラリンピックを実現させるよう頑張りましょう!」。


卒業制作をしてくれた木村さん。左背には、自らデザインした大会ポスター、右背は大会イメージキャラクターをデザインしたツルコ(左)とカメゾー

 若い世代のオリンピックへの夢や憧れは、スポーツだけの分野だけにとどまりません。2016年東京オリンピック・パラリンピックがもし開催されたならば、さまざまな形で多くの人がオリンピックに参加することができます。「オリンピックは“誰かのオリンピック”ではなく、“みんなのオリンピック”なのです」(木村さん)