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ミサイル:北朝鮮のロケット技術とは(下)

ット2段目の落下地点、北の予想より400キロ手前

◆弾道兵器の長距離運搬の潜在力を示す

 もちろん一部では、人工衛星の軌道投入には失敗したとしても、ロケットの2段目・3段目が3000キロ以上飛んだことから、北朝鮮は弾道ミサイル技術の潜在力を立証したと判断している。

 建国大航空宇宙工学科のシム・ボヒョン教授は、「人工衛星であれ弾道兵器であれ、ロケットの1段目と2段目がそれぞれ燃焼し飛んでいける力を示さなければならないが、現在までの情報によると、1段目・2段目のロケットが分離し落下したため、その任務を果たしたと見ることができる。北朝鮮は弾道兵器を運搬できる潜在力を持っていると見なければならない」と語った。

 しかしICBMと断定するためには、さらに大きな難関が待ち構えている。宇宙から地球へと落下する物体は、角度が少しずれただけでも、大気圏突入時の強烈な摩擦熱により空中爆発を起こす可能性がある。精密な角度制御と共に、摩擦熱に耐えられる防熱素材の開発も弾道ミサイル開発の核心課題だ。

◆衛星技術はかなり低い

 北朝鮮が発射した試験通信衛星は、その名前とは異なり、まだ初歩的な衛星だと分析されている。

 航空大の張泳根教授は、「北朝鮮からテポドンの技術移転を受けてイランが打ち上げた“オミド”衛星を見ると、電子回路が入った箱が二つ入っただけの、立方体のアルミ箱に過ぎなかった。この程度なら、太陽電池のような充電機能もなく、本体のバッテリーを使って数日間地上に信号を送る程度に過ぎないだろう」と語った。

 北朝鮮は、ロケットの落下地点を事前に通知したのとは異なり、衛星に必須となる電波の周波数については国際電気通信連合(ITU)に知らせなかった。人工衛星を打ち上げる国は、衛星と地上の機関との通信に使用する電波が他の電波と混線を起こさないよう、あらかじめITUに衛星の名称や電波の周波数などに関する情報を提出することが義務付けられている。

チョ・ホジン記者

李永完(イ・ヨンワン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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