北朝鮮ミサイル発射 1段目が落下したとみられる秋田沖で海面の変色部分発見
北朝鮮が5日午前11時半ごろ、長距離弾道ミサイルを発射し、その後、東北地方上空を通過した。今のところ被害は確認されていないが、麻生首相は「極めて挑発的で、看過できない」と、厳しく批判した。
防衛省などによると、ミサイルの1段目は、秋田沖およそ280kmに落下したとみられ、捜索中のP-3C哨戒機が5日午後、海面の変色部分を発見した。
2段目と搭載物については、アメリカ政府当局から、「すべて太平洋に落下し、衛星軌道には何も確認されていない」との連絡が入った。
政府関係者は、日本側の見方とも一致するとの考えを示し、「北朝鮮側は、口が裂けても失敗したとは言えないだろう」と述べた。
日本の域内への落下物はないとみられ、弾道ミサイル防衛システムなどによる破壊措置はなかった。
河村官房長官は「今のところ、被害等の情報は得ておりません」と述べた。
浜田防衛相は「人工衛星うんぬんというお話(分析)はですね、少々時間がかかると」と述べた。
また、麻生首相は「極めて挑発的な行為で、日本としては断じて看過できない」、「この北朝鮮の問題は、国連安保理決議違反であることははっきりしている」と批判した。
政府は、中国・北京の大使館ルートで北朝鮮に抗議したうえで、国連安保理緊急会合で新たな決議などを求める方針で、麻生首相は「日本としては強く出る」と指示した。
これを受け、河村官房長官が、アメリカ、韓国の駐日大使と会談し、中曽根外相は、各常任理事国の外相らとの相次ぐ電話会談で協力を求めた。
このうち、中国とロシアは、日本の立場に理解は示したものの、安保理での対応については明言を避けた。
(04/06 00:06)