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ミサイル:北朝鮮「衛星打ち上げ9分2秒で軌道進入」

1998年失敗時も「成功」

 北朝鮮は5日、打ち上げたロケットが9分2秒間飛び、衛星を軌道に乗せたと発表した。

 しかし、韓米日の政府は「発射時刻に10分の違いがあり、衛星も軌道進入に失敗したものとみられる」とし、全く別の見解を示している。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は同日午後3時20分ごろ、「運搬ロケット“銀河2号”は5日午前11時20分、咸鏡北道花台郡にある東海(日本名:日本海)衛星発射場から打ち上げられ、9分2秒後の11時29分2秒に人工衛星“光明星2号”が軌道に進入した。光明星2号は40.6度の軌道傾斜角で地球から最も近い距離で490キロ、最も遠い距離で1426キロの楕円(だえん)軌道上を回っており、周期は104分12秒」と発表した。

 しかし、こうした北朝鮮の発表は韓国・米国・日本の軍事当局が明らかにした内容とは全く違うものだ。1998年の弾道ミサイル「テポドン1」発射時も、韓米側が出した「失敗」という見解とは違い、北朝鮮は「発射に成功した」と主張している。

 この日午前11時34分、NHKは「日本政府当局者は午前11時30分、飛翔(ひしょう)体の発射があった模様」と第1報を報道した。続いて、11時37分には韓国政府当局者が「発射確認」を伝え、その直後、大統領府が「北朝鮮のロケットは午前11時30分15秒に発射された」と発表した。

 そして、日本でも河村建夫官房長官が記者会見で「本日午前11時30分ごろ、北朝鮮から何らかの飛翔体が発射されたものと考えられる」と発表した。北朝鮮が発表した発射時刻と韓米日政府の観測発射時刻とは10分の差がある。

 また、北朝鮮は「9分2秒で軌道進入に成功した」としているが、韓日政府の判断は違う。

 河村官房長官は「第1段ロケットと思われるものが午前11時37分に秋田県の西方280キロの日本海上に落下したと推定され、第2段ロケットは11時43分に日本の東約1270キロの太平洋上に落下したと推測される。飛翔体は11時48分ごろ、日本の東約2100キロの太平洋上で追尾を終了したということが報告された」と明らかにした。

 当初の予想地点よりは短かったが、発射自体は成功した模様だ。だが、日本政府はその後、「第1段ロケットの落下地点は確認したが、第2段の落下地点は推定であり、落下について正確なことは確認されていない」と述べた。

 日本政府が総力を傾け追跡に当たっていたことを考慮すると、第2段の分離自体が失敗したか、あるいは予想地点と明らかに違うところに落ちた可能性もあるということだ。

 ただ、「日本の東約2100キロ地点まで何らかの物体が上空を飛んでいたことは確認された」としているので、発射地点である咸鏡北道花台郡舞水端里から約3100キロまでは北朝鮮の飛翔体が飛んだと確認されたことになる。

権大烈(クォン・デヨル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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