北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの発射問題で、県は3日深夜から危機管理課職員らが出勤し、発射に備えた。一方、岡山市は4日、担当職員は自宅待機のままだった。【坂根真理、石戸諭】
北朝鮮からミサイルが発射されると、国の緊急情報ネットワークシステム「エムネット」から県に情報配信される。県は県内市町村などにファクスで報告し、県庁内各部局と県民局防災担当者には電話で伝える。
4日午後0時16分過ぎ、県に「発射された模様」と一報が届くと、一瞬緊張が走ったが、県内27市町村と14消防本部などにファクスを一斉送信する直前に誤りと判明。「さきほど北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された模様です」という文章に「12時21分に誤探知との情報がありました」と付記して送信した。同課によると、特にトラブルや混乱は無かったという。
県は夜間の宿直体制を2人増やして3人にし、24時間態勢で警戒を強める。
岡山市の防災対策課職員は4日は出勤せず、自宅で待機していた。同市は「エムネット」もセキュリティの問題から未整備といい、県からのファクスは市役所宿直室と市消防局が受け、この日、同課職員には消防局から連絡があった。
一方、市役所宿直室にも県からの一斉ファクスが届いたが、宿直員は「関係部署に連絡しなかった。重要な場合は県から『電話してほしい』と連絡が来る。市に直接の被害がある訳ではない。職員はテレビで知っているだろう。市自体がどういう対応になっているのか、聞いていないので分からない」と話した。県危機管理課は「ファクス以外の電話連絡を市にすることにはなっていない。今月2日に県と市町村で連絡の訓練を行ったはずだが」と話している。
一方、倉敷市は防災危機管理室に職員が待機し、「エムネット」からの情報を確認。政府や県からの情報も同室が受けている。津山市も倉敷市と同様の対応をとり、危機管理課が情報収集にあたっている。両市とも目立った混乱は無かった。
毎日新聞 2009年4月5日 地方版