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医療・介護
周産期搬送受け入れ改善 「3回以上拒否」減少 県内08年(4月6日 05:00)出産前後の周産期救急搬送で、県内医療機関に三回以上受け入れを断られた事例は二〇〇八年一年間に九件あったが、前年(十二件)より改善したことが五日までの、県消防防災課の調査で分かった。受け入れ円滑化を目指した周産期医療連携センター事業が一定の効果を挙げた、と同課はみている。しかし医療機関が断った最多回数は前年(五回)を上回る七回。かかりつけ医のいない「飛び込み出産」が、救急搬送を難しくしている実態が県内でも顕在化した。 周産期の救急搬送は〇八年一年間で二百三十六件。うち三回断られたのが計六件で四、五、七回は各一件だった。 最多の七回断られた事例は、小山市消防本部管内で起きた。女性は腹痛を訴えたが、救急隊は明らかな陣痛と判断。かかりつけ医はなく、近くの産科医療機関に照会したが、受け入れ先は見つからない。結局、最後のとりでの総合周産期母子医療センターを置く大学病院に搬送した。駆け付けた救急車が現場から動けず、最長の一時間待機した事例も、かかりつけ医がいなかった。 鹿沼市の三十代女性が昨年四月、自宅で出産。搬送先が見つからない上、へその緒の処置などでも時間がかかった。最終的に赤ちゃんと共に別の大学病院に搬送された。こうした飛び込み出産は「妊娠週数が分からず、感染症や母体の合併症、未熟児などの問題もあり、地域の病院で受け入れにくい」と、大学病院関係者は指摘する。 奈良県で〇七年夏、妊婦の受け入れ先が見つからず、救急車内で死産したのも同様の事例だ。 県内市町は無料で妊婦健診が受けられるよう公費負担の回数を引き上げ、国も〇八年度第二次補正予算で出産までに必要な計十四回分を財政措置した。 だが別の大学病院関係者は「お産なんて陣痛が来たら、どこかで産める、と考える人に妊婦健診の公費負担が何回でも関係ない」と悲観的だ。
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