●毎日新聞配信記事 毎日新聞は3日10 9時25分、「<民主党>「西松違法献金」検証、有識者会議を設置へ」というタイトルで次の記事を
配信した。
「民主党の鳩山由紀夫幹事長は3日の記者会見で、西松建設の違法献金事件を検証する「政治・検察・報道のあり方に関する有識者会議」を設置すると発表した。週明けに初会合を開き5月上旬をめどに報告書をまとめる。
同党は当初、党内に調査チームを設置し、小沢一郎代表が巨額の献金を集めた経緯や使途なども調べることを検討していた。しかし「自分に都合良くやっているとしか思われない」(中堅)などの慎重論が出たため、所属議員をメンバーに入れず、外部に委嘱する形にした。
鳩山氏は「(検察やメディアなど)各当事者の説明の内容を検証し、さらなる説明をどう行うべきか論じていただきたい」と、小沢氏の公設秘書逮捕に踏み切った検察の対応や報道内容などの検証に期待する考えを表明。「いちいちすべての中身を調査するということではない」とも述べ、小沢氏の政治資金の調査には消極姿勢を示した。
会議のメンバーは以下の通り。
郷原信郎・名城大教授(元検事)▽飯尾潤・政策研究大学院大教授(政治学)▽桜井敬子・学習院大教授(行政法)▽服部孝章・立教大教授(メディア法)【佐藤丈一】」
●小沢代表の説明 小沢代表は公設第一秘書が逮捕された際の記者会見でこう話している。
「「総選挙が取りざたされているこの時期において、非常に政治的にも法律的にも不公正な国家権力の行使と感じている」
会見中、小沢代表は捜査について何度も「不公正」「異常な手法」などと顔を赤くしながら強い口調で繰り返した。時折、疲れた表情を見せながらも、「この種の問題で逮捕・強制捜査というやり方は民主主義を危うくすると考えている」「こじつけたような理由で検察権力の発動は非常に公正を欠くと思う」と語り、検察当局と真っ向から対決する姿勢を前面に出した。
「政治資金に関してはすべてオープンにしている。収支を全部公開しているのは私だけではないか」と胸を張る場面もあり、「起訴などないと信じております」「遠からず嫌疑は晴れると信じている」とも語った。(読売新聞)
秘書が起訴された際の記者会見では「「私どもとしては、献金をうけた事実はそのまま報告しているし、献金の相手方をそのまま記載するのが(政治資金)規正法の趣旨だと理解しており、その認識の差が今日の起訴ということになったのだと思う。過去、この種の問題で逮捕、起訴という事例は記憶にない。そういう意味で規正法の趣旨からいっても合点がいかない。」と説明している。
●郷原信郎元検事 小沢代表の説明は民主党の有識者会議のメンバーである郷原信郎・名城大教授(元検事)が週刊朝日等で明らかにしている「小沢氏の会計処理は本当に政治資金規正法違反なりか」
という問題提起と軌を一にしている。
●本誌編集長のコメント「小沢氏の事件ほどヤメ検が二つに割れた例はない。ヤメ検もニーズが多いところから、古巣に氣を使ってばかりいられないということであろう。
だが、郷原氏の主張が裁判所で認められるか、というと極めて難しいと思う。最高裁で無罪判決が出た長銀の元頭取3人の粉飾決算事件とは本質的に異なるからだ。裁判官の「政治と金」に対する関心は極めて高い。郷原氏の主張の論理は形式的には理解できても是とする裁判官は極めて少ない。三井環元大阪高検公安部長の例と同じになると私は見立てる。
小沢氏側が西松建設から2億円〜3億円を受領したことは不動の事実。中堅ゼネコンの西松が見返りなしで出したとは誰も捉える人はないであろう。
とすると検察側の言う「収支報告書への虚偽記載は、国民を欺いて政治的判断をゆがめるものだ。
ダミーの政治団体を使って、長年にわたり特定の建設業者から多額の寄付を受けてきた事実を国民の目から覆い隠した。規正法の趣旨に照らして、看過できない重大悪質な事案と判断した。」は正しい判断と捉えるからだ。」