皇学館高(伊勢市)の1年男子生徒(16)が今年3月、いじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、生徒の父親が2日夜、毎日新聞などの取材に応じ、自殺から1カ月たった心境を語った。父親は「早く真相を明らかにし、加害者は謝罪してほしい」と望んだ。
父親は、「1カ月たっても真相が明らかにならず、進展がない。いい報告ができないため、息子が浮かばれない。早く真相を明らかにしてほしい」と話す。
同高が実施した生徒への聞き取り調査や保護者アンケートの開示を求めているが、実現していないという。「このままうやむやにしようという意図さえ感じる」と学校への不信感を募らせているようだった。
この問題の対応にあたっていた大島謙前校長が精神的疲労を理由に先月31日付で辞職したことについても、父親は「学校からは『人事異動で校長の職から離れる』と聞いていた。無責任すぎる」と語気を強めた。
いじめに関係したとされる生徒や、その保護者からの謝罪はいまだにないという。「加害者は早くいじめを認め、息子に手を合わしてもらいたい。ただ、それだけです」と訴えていた。
同高は先月14日、全校保護者会で、自殺した生徒に嫌がるあだ名をつけたり、消しゴムのかすを投げつけるなどのいじめがあったことを報告している。【福泉亮、木村文彦】
〔三重版〕
毎日新聞 2009年4月4日 地方版