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タイ産もち米からカビ毒 販売分、異状報告なし

2009年4月3日19時22分

写真:輸入米から見つかったカビ状の異物(本文の異物とは別物)=農林水産省提供輸入米から見つかったカビ状の異物(本文の異物とは別物)=農林水産省提供

 農林水産省は3日、業者に販売する直前のタイ産もち米から、カビ毒「アフラトキシンB1」を検出したと発表した。昨年4月に輸入した2002トンの一部で、そのうち1333トン(67%)は既に業者に食用として売ったという。

 アフラトキシンB1は強い発がん性があり、食品衛生法で検出されてはならないとされている。同省総合食料局は、既に販売した米からカビが見つかったという報告はない、としている。一方、この米の陸揚げ港や倉庫の所在地、販売先については「そこまで公表する必要はない」として明らかにしていない。

 農水省によると、この米は輸入義務のあるミニマムアクセス米で、米粒を砕いた状態で輸入され、国内の三つの倉庫に運び込まれた。

 そのうち一つの倉庫で昨年12月、30キロ袋から1トン袋に詰め替える作業をしていた担当者が、30キロ袋の一つからカビ状の異物(約100グラム)を見つけた。その後、先月31日に異物の分析機関から0.8ppmのアフラトキシンB1を検出したと報告があったという。同省は、詰め替えていた1トン袋にあった301キロを焼却処分するとともに、残りの在庫約670トンについては、販売前のカビのチェックを徹底するとしている。

 輸入米からカビ毒が検出されたのは、04年のベトナム産、06年の米国産と中国産、昨年12月のタイ産に次いで5回目。06年までの3回は事故米として工業用に売って食用への不正転売を招いた。昨年は初めて、食用として販売した米から検出された。

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