風呂はいつ頃現れたのか?

 「風呂」は「室(むろ)」が変化したもので、もともとは蒸し風呂を言いました。
つまりはお風呂の元祖はサウナだったのです。
 銭湯の文字が初めて現れたのは1352年(京都八坂神社の記録)。近くの
寺が銭をとる「銭湯風呂」を始めたと書いてあり、銭湯の語源もこの説と「風
呂すなわち蒸し風呂」に対しての「洗湯」と呼ぶ説など諸説あります。日本人
のお湯好きは時代の変せんと共にスタイルを変えて、今の銭湯に近づいた
のは江戸時代のことです。




風呂が産み出した物とは?  
 

 「風呂敷」「浴衣」はお風呂文化の産み出したもの。
風呂敷は「風呂に入る時に衣類を包んでおくための布」。省資源のエースとし
て見直されている風呂敷は、色、柄も豊富でラッピングにも重宝されています。
 浴衣は「内衣・明衣とも言い、浴帷子から転じ入浴中に着用」。現在は、さっ
ぱりとした木綿の感触が、湯上がりに心地よく、又、おとゃれ着として年代を
超えて根強い人気があります。

神さま・仏さまとの関係は?

 銭湯の玄関や店内には、祝い額や招き猫など縁起物が置かれています。
水や薬に関係の深い薬師観音や馬頭観音、珍しいところではびんずる尊者
(十六羅漢の第一仏)さま。開湯のいわれには、「神さま」「仏さま」のお告げ
によるという古文書なども残っています。
 入浴はもともと施浴という一種の福祉事業であり、仏教と深いつながりが
あり、仏典には「入浴によって七病を除き、質福を得る」という功徳が説いて
あることから、お寺には大湯屋と呼ばれる大規模な浴室があり、町湯・内湯
がない時代、入浴はお寺でしていました。