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リア王の悲劇 

前項目で、誤解されそうな書き方をしてしまいましたね。
母が誰にも体を見られたくないというのは本当ですが、私は別でした。
そうじゃないと介護なんてできないですからね。

それに母は今回の骨折をするまでは(ぎっくり腰の時は除く)
全くの寝たきりではなかったのですよ。
でも一人で歩く事だけはやめてもらっていました。過去2度の転倒に懲りていますから。
食事やトイレやソファに座っていたいという時には、私がしっかりつかまえて後ろ向きになって、母を歩かせていました。外出する時だけ車イスでしたが。
お風呂は去年まではまだ何とか湯船に入れてあげることもできたのですが、最近ではシャワーがやっとでした。湯船を怖がるようになってきたんです。

今回の骨折は足なので、どれくらいリハビリすれば、また前のように私がつかまえて歩くことができるようになるのかわかりません。
とにかくそこまで回復すれば、家でシャワーを浴びさせることはできるので、私の悩みも薄らぐのですが。

でもやはり問題は深刻です。
今回の骨折が何故起きたのか…。
そのわけは言いたくありません。
現代の老人問題の深刻なテーマでしょうとだけ言わせてください。

でも私はあきらめていません。私には願望があります。
徹底的にリハビリを受けて歩けるようにし、母の生きがいの社交ダンスをまたやらせてあげたいんです。
もちろんもう以前のように激しく踊ることなどできないでしょう。
それでも踊らせてあげたいんです。
人には生きがいが必要だと思う。
老人も全く同じだと思う。

私の生きがいが作品作りであるように、
母の生きがいはダンスです。
母はまだ84歳になったばかり。(3月7日に未熟児で生まれたのです。正式な届けではまだ83歳です)
内科はどこも悪くありません。骨折で体が弱っているだけなんです。
どうか奇跡を起こしてほしい。



表題に“リア王の悲劇”と書いたのには深い意味があります。
私は若いころは“リア王”のテーマがよくわからなかった。
あんな姉達みたいな人間はいないだろうと思っていました。
でもあの作品は人類の不滅のテーマですね。今はそう思います。
さすがシェークスピア!
考えてみれば、リア王は私であり、母でもあります。

でも私は負けません。
母も負けないでしょう。
何がなんだかお分かりにならないでしょうね。ごめんなさい。
とにかくコツコツやりますよ。一歩一歩ね。


[ 2009/04/05 19:59 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)
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プロフィール

Author:茶木ひろみ
(本名は現在非公開とさせてください)
1956年4月16日牡羊座
兵庫県神戸市生まれ
コーヒーとバタートーストとチョコレートケーキと麺類が好き。

職業は謎の漫画家。
幼少の頃から世界は恐怖と愛でできていると感じ、その矛盾を受け入れる生き方を続けている。
現在も描き続けている「銀の鬼」シリーズは、その矛盾がテーマとなっている。

ピアフやアダモをBGMに原稿を描くのが最高の幸せ。

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