首都圏に高齢者難民が発生する! 脱藩官僚 縦横無尽(34)―上 |
[脱藩官僚 縦横無尽]
2009年03月30日 13:44 更新
■ 群馬県の老人施設の火事で東京の生活保護を受けている人が亡くなりました。
先週の19日深夜に群馬県渋川市の有料老人ホームが火事になり、10人の方が亡くなったとの報道がありました。1週間以上もたって、このニュースも忘れ去られようとしていますが、この火事は、首都圏の高齢者難民の大発生を予想させる象徴的な事件なのです。
この有料老人ホームの入所者21人のうち15人が東京都の墨田区役所保護課の紹介で入所した人だったということです。異常なことですよね。
生活保護の対象となっているお年寄りのうち1人暮らしが難しい場合には、老人福祉施設に入居してもらうことになりますが、東京は施設の定員数が全く足りません。そこで墨田区はどうしたかというと、関東の他県の福祉施設を探して、そこに高齢の生活保護の方を送り込むということをしていたのです。
■ 全く足りない首都圏の老人福祉施設
東京都内の特別養護老人ホームの定員は約3万5,000名程度ですが、入居待ちしている人は4万人近くいるともいわれています。特別養護老人ホームに限らず、東京、千葉、埼玉、神奈川の首都圏4自治体は高齢者のための福祉施設が全く足りていないのです。
次にお年寄りの人口に対して施設の定員数がどの程度かというデータをご覧下さい。
東京、神奈川、千葉、埼玉をはじめとして、都市部では老人福祉施設が足りていないことが分かります。
○高齢者10万人当りの介護保険施設の定員数が少ない都道府県 ワースト10
(2007年10月1日時点) | 単位:人 |
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○高齢者10万人当りの介護保険施設の定員数が多い都道府県 ベスト10
単位:人 |
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木下 敏之
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□木下敏之行政経営研究所代表 □前佐賀市長(1999.3~2005.9)
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□ info@kinoshita-toshiyuki.net (ご感想、情報など気軽にメールをください。)
■著書
[ なぜ、改革は必ず失敗するのか-自治体の「経営」を診断する ]
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