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2009/04/ 5

桜の季節に種をまく

皆で花見をした昨日。「写真撮って」と子供らがやって来た。普段なら絶対に写真を撮っているところだけれど、花見客は他にもたくさんいて、一人を認めてしまうと限がなく、同席している連中や、隣で静かに花見を楽しんでいる爺ちゃん婆ちゃんに迷惑がかかってしまうからお断りした。代わりと言っちゃなんだが、席を外して10分ぐらい子供らと追いかけっこして遊んだ。

席に戻ってきて、皆とワイワイしていたら、再び子供らがやってきてボールを投げてきたり、からかってきたり…。その様はやっぱり可愛いのだけれど、やっぱり隣近所に迷惑がかかってしまって、それでも子供に悪気があるわけではなく…気になったのは遠くからそれをニコニコと笑い、止める事をしないその子供の母親の存在。ほどなくして1人の子供がシャッターを切ろうとしたから、ボクの周りにいた芸人がそれを止めると「母ちゃんに頼まれた」と言った。しかたなしに、その芸人がその子供の母親のところに事情を説明に行けば、「子供がやったことなので知りません」と返された。

少し雰囲気が悪くなったので、再び席を外して子供らと遊んでいたら、母親が「写真撮っていいですか?」とやって来た。「他の方に迷惑がかかるので今回はすみません」とお断りしたら、「他の人にバレなきゃいいですか?」という言葉が返ってきて驚いた。「…そういう問題じゃなくて、今回は本当にすみません」と頭を下げたら、その様を写真を撮ろうとカメラを構えられたから、母親からカメラを取り上げて遠くに放りなげたら、「酔ってるんですかっ!」とその母親から滝のようにキレられた。さっきまで一緒に遊んでいた子供らからも怒られた。「お前たちの母ちゃんが約束をやぶったんだよ」と教えたが聞いてもらえず。なんだか、すみません。

それでも花見は楽しかった。芸人、番組スタッフさん、そして普段お世話になっているお店の店長さんや、『ろくでもない夜』でお世話になっている新宿ロフトプラスワンのスタッフさんも急きょ駆けつけてくれて、アレコレ話してやんやと呑んだ。スタッフさんは女性だったけれど、それを除けば野郎ばかり。皆、こぞってモテない。あいかわらず遊びみたいな仕事の話に逃げる。堅苦しいものではなく、「次は〇〇しようぜ」「こんなライブしようぜ」といったもの。「遊び」というと語弊あるかもしれないが、決して手を抜いたものではなく、全力の遊び。

そんな全力の遊びの一つ『日本列島ドンガラガッシャン大作戦 第2弾』の作戦会議が本日行われた。会議室にこもって大人4人がピヨピヨと意見を交換する。作品というのは、机の上で出来たモノがそのまま世の中に出ているわけではなく、そこには演者さんの意見だったり、スタッフさんの反応だったり、漫才だったらお客さんの反応だったりを受けて手直しを繰り返してようやく世に出ています。なので、決してボク1人で作っているものではありません。

特に今回は新たなジャンルに挑戦しているので、今までの経験がないぶん、もう耳をちぎって渡すぐらいの勢いで、スタッフさんの意見を聞きます。反応を見ます。そして家に持ち帰って作り直し。今日も正直な反応を頂き、去年の12月(Dr.インクの星空キネマ制作終了と同時)から作っていたモノの9割ぐらいをブッ壊されまして、また作り直し。だけれど、それはとても正しい事で、とにもかくにもボクは「タレントが作りました」という触れ込みだけの内容の作品は反吐が出るくらい嫌いで、やるからにはその道の方々に敬意を払わなければいけないし、ここでいうところの『敬意』は、発言とかそういう事じゃなくて、やはりちゃんと向き合って作った内容をその道の方々に見せるしかないと思うわけです。「タレントがなんぼのもんじゃい」という気持ちはありますが、ボクもタレント。なので作品で示すしかありえないと思っています。

この調子で、作っては壊し、作っては壊し、を続けていくと、完成までは少し時間がかかりそうですが、必ず作りあげて皆様のところへお届する事を約束します。今夜もトンチンカンチン頑張りますので、しばしお待ちを。